ベルソムラ 錠 15mg。 ベルソムラの効果や副作用|強さや禁忌、アルコールとの併用なども|薬インフォ

ベルソムラ錠の副作用と対処法【医師が教える睡眠薬の全て】

ベルソムラ 錠 15mg

ベルソムラの特徴 ベルソムラはスボレキサントを成分とする不眠症に効果のある薬です 1。 覚醒を促進するオレキシンが受容体へ結合することを阻害する、世界初のオレキシン受容体拮抗薬であり、脳を覚醒から睡眠へ移行させ、生理的なプロセスによる睡眠をもたらすという特徴があります 2。 ベルソムラには10mg、15mg、20mgの規格があります。 1 ベルソムラ錠10mg/ベルソムラ錠15mg/ベルソムラ錠20mg 添付文書 2 ベルソムラ錠10mg/ベルソムラ錠15mg/ベルソムラ錠20mg インタビューフォーム ベルソムラの効果 ベルソムラは不眠症に効果がある薬です。 ベルソムラ添付文書の効能効果は以下のとおりです。 不眠症 ベルソムラ錠10mg/ベルソムラ錠15mg/ベルソムラ錠20mg 添付文書 ベルソムラの作用機序はオレキシン受容体拮抗作用 ベルソムラはオレキシンという覚醒を促す神経伝達物質の作用を阻害することにより、過剰な覚醒を抑え、睡眠作用をもたらします。 ベルソムラのこのような作用機序は従来のベンゾジアゼピン系、非ベンゾジアゼピン系などの睡眠薬とは異なる作用であり、従来の睡眠薬と違った自然な眠りが期待できます。 ベルソムラの効果時間と半減期 ベルソムラの効果発現時間、効果持続時間は臨床試験の結果が参考となります 1。 効果発現時間の参考になるデータとして、ベルソムラ使用開始1週後の眠りにつくまでの時間であるsTSOm(主観的睡眠潜時)は、ベースラインの63. 6分から14. 5分短縮したとされており、この結果からは平均で40分程度で眠りにつくケースが考えられます。 効果持続時間の参考にあるデータとしては、ベルソムラ使用開始1週後の睡眠時間であるsTSTm(主観的総睡眠時間)は、ベースラインの322. 4分から27. 2分延長されたとされており、この結果からは平均すると6時間程度の効果持続が考えられます。 なお、ベルソムラの半減期 薬の血中濃度が半分になるまでの時間 は10. 0時間とされていますが 1 、作用機序が異なるため、GABA系の睡眠薬と同じように半減期と効果の持続時間を推測することはできないとされています 3。 1 ベルソムラ錠10mg/ベルソムラ錠15mg/ベルソムラ錠20mg 添付文書 3 くすりのPoint|不眠症治療情報提供サイト www. e-mediceo. com ベルソムラの実際の効果 ベルソムラの実際の患者さんに対する効果は臨床試験において確認されており、投与1週時、1ヵ月時、3ヵ月時の時点において、入眠障害、中途覚醒に対して効果が認められています 2。 2 ベルソムラ錠10mg/ベルソムラ錠15mg/ベルソムラ錠20mg インタビューフォーム ベルソムラの効果の強さ ベルソムラは前述の通り、マイスリー、レンドルミン、ハルシオン、デパスなどの既存のGABA系の睡眠薬とは作用機序が異なるため、一概にその睡眠作用を比較することがはできません。 ベルソムラは非鎮静系睡眠薬に該当し、鎮静系睡眠薬に該当するGABA系の睡眠薬と比較すると主観的な眠気の自覚がないため、効果が弱いと感じるケースもあります 4。 しかし、依存傾向も少ないことが期待されており、今後の安全性のデータの蓄積次第では睡眠薬の主流になる可能性も期待できます。 4 内科医のための睡眠薬の使い方 診断と治療社 ベルソムラが効かない場合は ベルソムラで効果を感じない場合に確認したい点として、食事の影響があります。 ベルソムラは食事の影響を受けることが確認されており、空腹時の使用と比較しTmax(最大血中濃度到達時間)の延長が認めらています 1。 Tmaxの延長により効果発現が遅れる可能性も考えれらるため、必ず空腹時に使用する必要があります。 その他、10mgで服用している場合は用量を増やせるケースもあるため、10mgで効果を感じない場合は医師に相談しましょう。 ベルソムラに糖尿病への効能はなし ベルソムラが糖尿病に対して効果があるというような内容がテレビ番組などで紹介されたことがありますが、少なくとも現時点ではベルソムラの糖尿病に対する効能効果は認められていません 1。 ベルソムラを使用する場合は必ず医師の指示通りの使用とし、正しい目的、用法用量で使用するようにしましょう。 1 ベルソムラ錠10mg/ベルソムラ錠15mg/ベルソムラ錠20mg 添付文書 ベルソムラの使い方 ベルソムラの一般的な使い方は、1日1回、20mg1錠を寝る前に使用します。 高齢者の場合は15mgを1錠が一般的となります。 ベルソムラの用法用量の詳細は以下の通りです。 通常、成人にはスボレキサントとして1日1回20mgを、高齢者には1日1回15mgを就寝直前に経口投与する。 通常、成人にはスボレキサントとして1日1回20mgを、高齢者には1日1回15mgを就寝直前に経口投与する。 ベルソムラ錠10mg/ベルソムラ錠15mg/ベルソムラ錠20mg 添付文書 ベルソムラの一包化、粉砕は推奨されない ベルソムラは一包化、粉砕は推奨されていません。 無包装状態での安定性を確認した結果では、1日後より外観の変化(コーティング層のひび割れ)を認め、保存期間が増加するにつれ溶出速度の低下が認められたまた、錠剤が粉砕された状態での薬物動態解析、有効性試験、安全性試験は実施されておらず、その有効性・安全性を評価する情報は存在しない、とされているため 2 、一包化や粉砕の処理は向いていないと考えられます。 2 ベルソムラ錠10mg/ベルソムラ錠15mg/ベルソムラ錠20mg インタビューフォーム ベルソムラの副作用 ベルソムラの代表的な副作用は傾眠(眠気;4. ベルソムラは現時点では、重大な副作用は報告されていません。 ただし、ベルソムラは世界において日本で先行されて発売されている新しい機序の薬であり、今後新たな副作用が報告される可能性あるため、十分い注意しながら使用するようにしまし、いつもと違う症状が現れた場合はすぐに医師に相談するようにしましょう。 1 ベルソムラ錠10mg/ベルソムラ錠15mg/ベルソムラ錠20mg 添付文書 ベルソムラの飲み合わせ ベルソムラは他の薬との飲み合わせに関して、併用できない薬(併用禁忌薬)、併用に注意が必要な薬(併用注意薬)がいくつかあります 1。 CYP3Aを強く阻害する薬剤とは併用できない薬(併用禁忌薬)として注意喚起されています 1。 併用禁忌とされている理由としてベルソムラの血中での濃度が高くなり、ベルソムラの作用が強く出る可能性があるためです。 CYP3Aを強く阻害する薬剤の具体例として、イトラコナゾール、クラリスロマイシン、リトナビル、サキナビル、ネルフィナビル、インジナビル、テラプレビル、ボリコナゾールが挙げられています。 このうち比較的多くの人で使用するケースがあるものとして抗生物質のクラリスロマイシンが挙げられます。 クラリスロマイシンはクラリスやクラリシッドなどの製品名としても販売されており、風邪をひいたときや副鼻腔炎などでも非常によく処方される抗生物質の一つであり、多くの人が使用する機会があります。 ベルソムラを使用中は別の病院、クリニックにかかる場合にも必ず使用している旨を伝えるようしましょう。 併用に注意が必要な薬(併用注意薬)としては以下のものがあります。 成分名等 代表的な薬剤 アルコール(飲酒) 中枢神経抑制剤(フェノチアジン誘導体、バルビツール酸誘導体等) コントミン、ヒルナミン CYP3Aを阻害する薬剤 (ジルチアゼム、ベラパミル、フルコナゾール等) ヘルベッサー、ワソラン CYP3Aを強く誘導する薬剤(リファンピシン、カルバマゼピン、フェニトイン等) テグレトール、ヒダントール ジゴキシン 1 ベルソムラ錠10mg/ベルソムラ錠15mg/ベルソムラ錠20mg 添付文書 ベルソムラ使用中はアルコールは避ける 前述の通り、ベルソムラとアルコールは、併用禁忌(併用できない)ではないものの、併用注意とされており、一定の危険性が伴います。 ベルソムラとアルコールが併用注意の理由として、ベルソムラとアルコールが共に中枢神経系を抑制する作用を有しており、精神運動機能の相加的な低下の可能性があるためとされています。 上記の理由からベルソムラを使用中の場合は基本的にはアルコールを避けるようにし、お酒の席があるような場合は、予め医師と薬の使用について相談しておくなどするようにしましょう。 ベルソムラの授乳中の使用 ベルソムラは授乳中に使用する場合は基本的に授乳を中止するよう注意喚起されています。 授乳中の婦人にやむを得ず本剤を投与する場合は授乳を中止させること。 〔動物実験 ラット でスボレキサントが乳汁中へ移行することが報告されている。 〕 ベルソムラ錠10mg/ベルソムラ錠15mg/ベルソムラ錠20mg 添付文書 上記の注意喚起がされている理由として、動物実験において、乳汁への移行性が認められているためです 2。 ベルソムラは開発されてから比較的新しい薬であり、乳幼児への影響もわかっていない点もあるため、可能であれば使用を避けるのが安全と言えそうです。 実際に授乳中にベルソムラを使用するかは、処方医の先生の判断となります。 ベルソムラに限らず、クリニックや病院で薬を処方してもらう場合は授乳中である旨を必ず伝えるようにし、自己判断で使用するようなことは避けましょう。 2 ベルソムラ錠10mg/ベルソムラ錠15mg/ベルソムラ錠20mg インタビューフォーム ベルソムラの妊娠中の使用 ベルソムラの妊娠中の使用に関しては、治療の有益性が危険性を上回る場合のみ使用と注意喚起されており、実際に使用するかは医師の判断となります。 妊娠又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。 〔妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。 動物実験 ラット では、交配前、交配期間中及び妊娠初期に臨床曝露量の70倍を投与した場合、黄体数、着床数及び生存胎児数の減少が、妊娠期に臨床曝露量の86倍を投与した場合、胎児体重の減少が認められた。 また、妊娠から授乳期に臨床曝露量の49倍を投与した場合、出生児に一過性の体重低値が認められた。 〕 ベルソムラ錠10mg/ベルソムラ錠15mg/ベルソムラ錠20mg 添付文書 上記の注意喚起がされている理由として、動物実験において薬剤が胎盤を通過することが示唆されている点、生殖発生毒性試験において、体重減少などの一定のリスクが確認されている点が挙げられます 2。 ベルソムラは開発されてから比較的新しい薬であり、胎児への影響もわかっていない点もあるため、可能であれば使用を避けるのが安全と言えそうです。 実際に妊娠中にベルソムラを使用するかは、授乳中と同様に処方医の先生の判断が必要です。 ベルソムラに限らず、クリニックや病院で薬を処方してもらう場合は妊娠中である旨を必ず伝えるようにし、自己判断で使用するようなことは避けましょう。 2 ベルソムラ錠10mg/ベルソムラ錠15mg/ベルソムラ錠20mg インタビューフォーム ベルソムラの薬価、ジェネリック ベルソムラの2016年4月改定(2018年3月まで)の薬価は20mg錠で1錠あたり107. 9円、15mg錠で89. 1円、10mg錠で68. 0円となっています。 なお、ベルソムラには現時点でジェネリック医薬品は販売されていません。 通常新薬は承認されてから一定の年数がたった後に再度審査を受ける必要があり、この期間を終えるまではジェネリック医薬品は販売されません。 また、特許期間に該当する場合はその期間もジェネリック医薬品は販売できません。 ベルソムラの市販での購入 ベルソムラの成分であるスボレキサントは通販や市販で買うことはできません。 ベルソムラの成分は処方薬の中でも新しい作用機序薬であり、今後も市販薬として販売される可能性はあまり高くないと言えます。 市販の睡眠補助剤として販売されるドリエルなどは全く別の機序の薬であり、ベルソムラと同じ作用を期待したい場合は市販薬でなく、必ず医師の適切な診察を受けてベルソムラを処方してもらう必要があります。 薬を使用する際には必ず薬の説明書や添付文書を確認し、医師や薬剤師から指示された用法・用量で使用してください。 また、違和感や副作用と思われる兆候を感じた場合は医師・薬剤師に相談してください。 今回紹介した内容はあくまで一例であり、必ずしも当てはまらないケースがあります。 予めご承知ください。

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1.ベルソムラの副作用の概要 まずはベルソムラの副作用の全体像についてお話します。 他の睡眠薬と比べると、全体的に見てベルソムラの副作用は少なく、安全性は高いと考えられます。 現在主に用いられている睡眠薬は「ベンゾジアゼピン系」「非ベンゾジアゼピン系」の2種類ですので、これらと比較して「少なめ」ということです。 特にベンゾジアゼピン系の長期服薬で問題となることの多い、 ・耐性 ・依存性 ・断薬時の離脱症状 などをほとんど認めない点はベルソムラの大きな利点です。 また、一般的な睡眠薬の副作用である、 ・日中の眠気、倦怠感、集中力低下 ・ふらつき、転倒 なども、まったく認めないわけではないものの、他の睡眠薬と比べると少なめだと思われます。 ただし、ベルソムラに特徴的な副作用としては「悪夢」が挙げられ、これは従来の睡眠薬よりもやや頻度が高い印象があります。 ベルソムラはまだ発売されて日が浅いお薬であるため、今後新たに副作用が見つかってくる可能性もありますが、現時点では「全体的に安全性は高い睡眠薬」という認識で良いでしょう。 2.ベルソムラの副作用とその対処法 副作用がゼロのお薬などはなく、どんなお薬でも必ず副作用があります。 しかし、だからと言ってお薬が「怖いもの」「使わない方がいいもの」というわけではありません。 効果と副作用をしっかり見極めて、必要なときは使い、不要になったら漫然と使い続けないことが大切です。 ベルソムラは、従来のベンゾジアゼピン系・非ベンゾジアゼピン睡眠薬と異なり、 ・耐性 ・依存性 といった副作用をほとんど認めず、これがベルソムラの大きなメリットだとお話しました。 しかし副作用がまったくないわけではありません、ベルソムラに報告されている主な副作用について詳しくみていきいましょう。 睡眠薬は「眠らせるお薬」ですから当然といえば当然の副作用です。 ベルソムラも睡眠薬ですから眠気は生じます。 寝る前に睡眠薬を飲んで眠くなる。 これは「効果」ですから問題ありません。 しかし「起床時間になってもまだ眠くて起きれない」「日中眠くて仕事に集中できない」となるとこれは問題で、副作用と判断されます。 日中まで睡眠薬の効果が残ってしまう事を「持ち越し効果(hang over)」と呼びます。 眠気だけでなく、だるさや倦怠感、ふらつき、集中力低下などにもつながります。 ベルソムラの日中の眠気は、他の睡眠薬と比べて多いわけではなく、むしろ少なめです。 ベルソムラの薬効はおよそ6~8時間程度と考えられており、日中に持ち越す可能性は高くはありません。 しかし、時に日中まで眠気が持ち越してしまうことはあります。 特にお薬が身体に残りやすい方(高齢者や肝機能障害のある方など)は、作用時間が延長しやすいことがありますので注意が必要です。 また、元々の睡眠時間が極端に短い方も日中の眠気が生じやすいことが考えられます。 眠気が日中に持ち越してしまう場合、まず初めに取るべき対処法は「睡眠時間をより多くとること」「睡眠環境の見直しを行うこと」です。 例えば元々3時間睡眠でベルソムラを服用しており、それで眠気が翌朝に持ち越してしまっているようであれば、ベルソムラは6~8時間効くお薬ですので眠気が出るのは当然です少なくとも6時間程度は睡眠時間を取るように生活習慣の改善を行いましょう。 睡眠時間を多く取れれば持ち越しは起きにくくなります。 眠気の副作用が出た時はまず、「睡眠時間を増やす事」。 これが一番間違いのない対処法です。 どうしても睡眠時間を確保できな場合は、主治医と相談の上で量を変更したり、他の睡眠薬に変更するという方法もあります。 ただし、ベルソムラは添付文書上は量の調整は認められていないので、主治医とよく相談し、その判断は主治医が慎重に行う必要があります。 頭痛の副作用はベルソムラのみならず、多くの睡眠薬で認める共通する副作用です。 多くの場合、その程度は軽度であるためまずは様子観察となります。 様子を見ていく中で身体がお薬に徐々に慣れてきて、頭痛が自然と改善してくることもあるからです。 しかし、あまりに頭痛が続き、患者さんがつらいようであれば、お薬の中止あるいは変更をする必要もあります。 なぜ悪夢が生じているのかは明確には分かっていませんが、• ベルソムラがレム睡眠を抑制しないからではないか• ナルコレプシー様の症状として悪夢が生じているのではないか などが可能性として考えられます。 睡眠には「レム睡眠(REM)」と「ノンレム睡眠(non-REM)」の2種類があります。 かんたんに言うと、• レム睡眠は脳が起きていて、身体が眠っている• ノンレム睡眠は脳が眠っていて、身体が起きている 睡眠です。 睡眠中はレム睡眠とノンレム睡眠が交互に繰り返されています。 レム睡眠中は脳は起きているため、夢をみるのはレム睡眠中だと考えられています。 ベルソムラはレム睡眠を抑制しないという特徴があるため、悪夢を見やすいのかもしれません。 ちなみにベンゾジアゼピン系はレム睡眠を抑制する作用を持つお薬が多くあります。 またナルコレプシーという病気がありますが、これはオレキシンの欠乏が原因だと考えられている病気です。 となると、人工的にオレキシンをブロックするベルソムラは、ナルコレプシーに似た状態を作ってしまう可能性があります。 ナルコレプシーでは、入眠時幻覚や悪夢といった症状が出現しやすいことが知られており、これに関連してベルソムラでも悪夢が出ている可能性も考えられます。 悪夢についても特別な治療法というのはなく、軽度なものであれば様子を見ます。 悪夢が続き、あまりにつらいようであればお薬の中止あるいは変更が検討されてます。 3.依存性は本当にないのか? 新しい睡眠薬であるベルソムラが注目されている理由として、従来の睡眠薬と異なり、• 耐性がないこと• 依存性がないこと が挙げられます。 耐性・依存性は服薬してすぐには問題とならない副作用ですが、長期の服薬となった場合に大きな問題となります。 耐性というのは、身体が徐々にお薬に慣れてしまうことで、それに伴ってお薬の効きが悪くなってくることです。 耐性が形成されると、最初は睡眠薬を1錠飲めばぐっすり眠れていたのに、だんだんと身体が慣れてしまって2錠、3錠飲まないと眠れなくなり、必要なお薬の量がどんどん増えてしまうことになります。 依存性というのは、お薬なしではいられなくなってしまう状態です。 依存が形成されると、お薬が切れると落ち着かなくなったり、一睡もできなくなってしまいます。 依存が形成された状態で無理に断薬をすると、手のふるえや発汗などの離脱症状が現れることもあります。 耐性も依存性もアルコールで考えると分かりやすいかもしれません。 アルコールにも耐性と依存性があるからです。 アルコールを常用していると、次第に最初に飲んでいた程度の量では酔えなくなるため、飲酒量が増えていきます。 これは耐性が形成されているという事です。 また飲酒量が多くなると、飲酒せずにはいられなくなり、常にアルコールを求めるようになります、アルコールを切らすと手がふるえたり、汗が出て来たり、ソワソワ・イライラしたりします。 これは依存性が形成されているという事です。 従来の睡眠薬であるベンゾジアゼピン系・非ベンゾジアゼピン系は、長期服薬によって耐性・依存性が形成されることが分かっています。 ベルソムラはというと、耐性・依存性が形成されないことが臨床試験から報告されています。 しかしベルソムラの添付文書を見ると、「習慣性医薬品」と書かれています。 習慣性があるという事は依存性があるという事です。 これはどういう事でしょうか。 この理由については、おそらくベルソムラの発売前に行われた臨床試験の結果の1つが関係していると思われます。 その試験とは薬物乱用試験であり、娯楽目的での薬物多剤使用経験のある方を対象し、ベルソムラに薬物嗜好性があるのかどうかを見た試験です。 この試験ではベルソムラの薬物嗜好性は「プラセボ(偽薬)より高く、ゾルピデム(商品名:マイスリー)と同程度」と結論付けられています。 ただしこの試験は海外で行われたものであり、試験に使われたベルソムラの量も40~150mgと非常に高用量です(実際に私たちが使う量は15~20mgの範囲内です)。 一方で不眠症患者さんを対象とした研究では、ベルソムラを投与して12か月間、持続して安定した効果が得られたと報告されています。 12か月間、同じベルソムラの量で睡眠に対する効果が安定し続けていたという事は、耐性形成がなかったということになります。 また通常用量のベルソムラにおいては、ベルソムラ中止後にが出現したり、退薬徴候(離脱症状)を認めたりという事もなかったと報告されており、これはベルソムラに依存性はないことを示唆しています。 現時点の臨床感覚としては、少なくとも問題となるほどの耐性や依存性はないように感じます。 これらの事から考えると、耐性・依存性のリスクはゼロではないものの、通常の方がベルソムラを適正用量にて使用する分には、耐性・依存性はほぼ気にしなくて良いのではないかと考えられます。 元々薬物乱用リスクの高い方(例えばアルコール依存症の方など)は、注意が必要でしょう。 4.ナルコレプシーは生じないのか? オレキシン受容体拮抗薬であるベルソムラは、オレキシンのはたらきをブロックすることで睡眠に導く作用を持っています。 一方で、オレキシンが少なくなってしまって生じる病気に「ナルコレプシー」があります。 ナルコレプシーは「眠り病」とも呼ばれており、オレキシンの欠乏によって、• 睡眠発作・・・日中などでも突然眠る• 情動脱力発作(カタプレキシー)・・・感情が高ぶった時に全身の力が入らなくなる• 入眠時幻覚・・・寝付く時に幻覚が現れる• 睡眠麻痺・・・いわゆる金縛り などが生じます。 ベルソムラがオレキシンのはたらきをブロックするとなると、「ベルソムラによってナルコレプシーが起こってしまうのではないか」という心配が当然出てきます。 確かに理論上はナルコレプシーが生じる可能性はあるため、一応の注意は必要でしょう。 しかし臨床試験や発売後調査においては、通常量のベルソムラを使用していて、ナルコレプシーが出現したという報告は今のところありません。 これも医師の指示通り適正に使用していれば、そこまで心配しなくても良いのではないかと考えられます。 【メンタルヘルス向上のヒント】 【こころの病気】 - - - - -恐怖症 -- -- -- -- -- - - - - - - 【こころと身体の病気】 【お薬()】 - - -- -- -- - --超短時間型 --- --短時間型 --- --- --- --- --中時間型 --- --- --- --- --- --- --長時間型 --- --- -メラトニン受容体作動薬 -- -オレキシン受容体拮抗薬 -- -三環系抗うつ剤 -- -- -- -- -- -四環系抗うつ剤 -- -- - -- -- -- -- -- - -- -- -- - -- -- -その他 -- -- -- () - - - - - - - - - - - - - - 抗精神病薬 - -- -- -第2世代抗精神病薬 -- -- -- -- -- -- -- -- -- - - - - - ADHD治療薬 - 抗酒薬 - 漢方薬 - - - - 向精神薬の副作用 - - - 【精神科への受診】 【こころの検査】 【治療法】 【精神疾患と取り巻く制度】.

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ベルソムラの適量、ベルソムラと悪夢の副作用について

ベルソムラ 錠 15mg

1.ベルソムラの作用する仕組み(作用機序) 覚醒を維持するために必要なオレキシンを阻害することで、睡眠状態へスイッチさせる睡眠薬です。 ベルソムラは、これまでにない新しい作用機序の睡眠薬として注目されています。 ベルソムラの作用には「オレキシン」という神経伝達物質が関係しています。 まずはこのオレキシンからご説明しましょう。 オレキシンは視床下部の神経細胞で作られています。 オレキシンは興奮性の神経伝達を行って、様々な神経細胞を活発にする働きがあります。 このためオレキシンは、覚醒に働く物質なのです。 生理的には、日中に増加して夜間に減少しています。 また、オレキシンは情動の乱れや空腹を感じると活発になります。 感情が揺さぶられたりお腹がすくと目が覚めるのは、オレキシンのせいなのですね。 覚醒状態と睡眠状態は、「日中は起きて、夜は寝る」といったようにメリハリをつけていく必要があります。 中途半端に覚醒状態になってしまったら、危なっかしくて仕方がありませんね。 2つの状態は一気に切り替わらなければいけません。 この切り替えに重要な働きをしているのがオレキシンです。 オレキシンはスイッチのような働きをしているのです。 ベルソムラは、このオレキシンが作用する受容体をブロックしてしまいます。 オレキシンが作用できなるとスイッチがオフに切り替わり、睡眠状態が導かれていきます。 ベルソムラは、身体が生理的に行っているメカニズムを利用して睡眠効果をもたらすお薬といえます。 オレキシン受容体には2種類あると言われています。 オレキシン1受容体(OX1R)とオレキシン2受容体(OX2R)です。 どちらも覚醒に関係していますが、OX2Rの方が影響が大きいことがわかっています。 ベルソムラは、このOX1RとOX2Rの両方を1:1で遮断する働きがあるので、DORA(Dual Orexin Receptor Antagonist:両方のオレキシン受容体拮抗薬)とも呼ばれています。 2.ベルソムラの効果と特徴 まずはベルソムラの特徴を、メリットとデメリットに分けてみていきましょう。 2-1.ベルソムラのメリット• 入眠障害にそこそこ有効• 中途覚醒に有効• 睡眠が深くなる• 副作用が少ない(健忘・ふらつき)• 依存性が少ない• 処方日数の制限がない 睡眠薬として最もよく使われているベンゾジアゼピン系睡眠薬では、脳の機能を落とすことで眠気をもたらしていました。 このような睡眠薬では、スッと落とされるような眠りの入り方でした。 ベルソムラは睡眠状態にスイッチを切り替える睡眠薬です。 身体が生理的に行っているメカニズムを利用しているので、自然に近い眠りを導く睡眠薬です。 入眠作用はそこそこといったところで、服薬した直後から効果は期待できます。 ベルソムラは、中途覚醒に真価を発揮する睡眠薬です。 途中で目が覚めても、再入眠しやすくなります。 また、レム睡眠と深い睡眠が増加して、浅い睡眠が減少します。 睡眠が深くなり、質がよくなります。 ベンゾジアゼピン系睡眠薬で多かった健忘・ふらつきといった副作用は少ないです。 ベルソムラには筋弛緩作用がほとんどありませんが、眠気からふらついてしまうことはあるので注意が必要です。 依存性もほとんどないと考えられていて、離脱症状や反跳性不眠(離脱症状でよけいに不眠がつよくなること)はなかったと報告されています。 ベルソムラはこのように依存性が低いお薬なので、ベルソムラは向精神薬となっていません。 このため、一般的な睡眠薬のように30日の処方制限がありません。 ベルソムラは60日や90日など長期で処方することもできるので、睡眠が安定したら通院回数を減らすこともできます。 2-2.ベルソムラのデメリット• 症例数が少ない(世界に先駆け日本で発売)• 悪夢が多い• 翌日の眠気が多い• グレープフルーツジュースは控えなければいけない• 薬価が高い ベルソムラは世界に先駆けて、日本で最初に発売された睡眠薬です。 このような薬は珍しく、ほとんどの薬は世界で効果や安全性が確かめられてから日本にやってくることが多いです。 発売からしばらくたちましたが、まだ薬の実感が完全にはわからないという点はデメリットかもしれません。 ベルソムラは、レム睡眠を増やす作用があります。 このため夢を見やすくなってしまいます。 不眠になってしまう方はストレスを感じている方が多く、悪夢が増えてしまうことが多いです。 また、翌日の眠気が思ったよりも多い印象があります。 明け方になると生理的なオレキシンが上昇してきて覚醒します。 脳が活動し始めると、オレキシンはすぐに活発になるはずです。 ですが、意外と眠気を日中に感じる方が多い印象です。 ベルソムラは、CYP3Aという肝臓の酵素で代謝されていきます。 グレープフルーツジュースやクラリスなどの抗生物質は、このCYP3Aを強く阻害してしまいます。 その結果、ベルソムラが代謝できなくなってしまい濃度が一気に上がってしまいます。 ですから、グレープフルーツジュースなどは避けなければいけません。 新薬なので仕方がないのですが、ベルソムラは非常に高価です。 15mg錠で89. 1円、20mg錠で107. 9円です。 その後10mgも発売されましたが、薬価は68. 0円となります。 ジェネリックに関しては、当分発売されません。 2-3.ベルソムラで懸念されていること• ナルコレプシー様症状が起こること• 食欲が変化したり、摂食障害がみられること ベルソムラでは2つのことが懸念されています。 1つ目は、ナルコレプシー様症状が起こるかもしれないということです。 ナルコレプシーとは過眠症と呼ばれている病気です。 オレキシンが変性すると、ナルコレプシーになることがわかっています。 覚醒に必要なオレキシンが足りないために、急に睡眠状態に入ってしまう病気です。 睡眠発作(昼間の突然の眠気)• 入眠時幻覚(眠った瞬間に夢を見る)• 睡眠麻痺(金縛り)• 情動脱力発作(喜怒哀楽の後に、急に力が抜けてしまう) この4つの症状がみられるような病気です。 ベルソムラは、オレキシンをブロックする薬です。 理論的にはナルコレプシー様の副作用が起こることが懸念されていました。 現在のところ、市販後調査では報告されていませんので、問題ないかと思います。 2つ目は、食事への影響です。 空腹を感じると、オレキシンが活発になることで覚醒して食事をとります。 そして活動的になってエネルギーを消費します。 このようにオレ キシンは食欲や代謝と大きく関係し、摂食行動に影響を与えることが懸念されていました。 現在のところ、市販後調査では目立った報告がされていません。 ベルソムラの副作用について詳しく知りたい方は、「」をお読みください。 3.ベルソムラの作用時間と強さ ベルソムラは半減期が10時間で、作用時間は6時間程度です。 中途覚醒を中心に効果のある睡眠薬です。 ベルソムラは、血中濃度がピークに達するまでには1. 5時間ほどかかります。 そこから少しずつ抜けていき、10時間で半分の量まで減少します。 ベルソムラの効果は、服用した日から期待できます。 30分ほどして自然な眠気で眠りに導きます。 薬が半分になるまでには10時間ほどかかりますが、明け方になってくると生理的なオレキシンが急上昇します。 オレキシン受容体をベルソムラとオレキシンが奪い合いをします。 このようにして目が覚めるので、作用時間としては6~7時間ほどです。 服薬の開始から3日ほどは、少しずつ薬が身体にたまります。 ですから、ベルソムラの効果をみていくには、少なくとも3日かかります。 さらにベルソムラの服用を続けていくと、徐々に効果が強まっていく方が多いです。 ベルソムラの効果は、入眠障害には「やや弱い~普通」ですが、中途覚醒には「普通~やや強い」という印象です。 成人は20mg、高齢者は15mgと用量が決まっています。 ベルソムラを使える上限量は、有効用量の中で低めに設定されました。 これは、眠気による運転への影響を心配されたためです。 アメリカでは、もっと慎重に用法が決められています。 ベルソムラ10mgから開始して、上限20mgまでとなっています。 日本でも10mg錠剤が2016年に発売となりましたが、10mgは相互作用で効果が増強されることが想定されるときのみになります。 ベルソムラを代謝するCYP3Aという酵素の働きを邪魔する薬(ジルチアゼム・ベラパミル・フルコナゾールなど)を併用するときとなっています。 というのは、ベルソムラ10mgの臨床試験において、統計的に優位な効果が示せなかったためです。 ですから基本的に、15mg以上で使うことがほとんどです。 なお、食後に服用すると血中濃度のピークが3時間ほどとなります。 効きが悪くなるので、少なくとも食後2時間あけて服用するようにしましょう。 4.ベルソムラが向いている人とは?• 他に睡眠薬を服用していない方• 中途覚醒が中心である方• 中途覚醒して再入眠できない方• 高齢者• 依存性の低い睡眠薬を希望される方 ベルソムラは、原則的に他の睡眠薬との併用をしないこととなっています。 ですが、併用して切り替えていくこともあります。 いろいろな睡眠薬を試しても効果がなかった方には、新しい作用機序の薬が効くかもしれないので試してみることもあります。 すでに服用している睡眠薬を減量するときは、その睡眠薬の反跳性不眠に気をつけていく必要があります。 ベルソムラは、入眠障害にも効果は期待できますが、真価を発揮するのは中途覚醒です。 ですから、中途覚醒で困っている方に向いている睡眠薬です。 入眠障害で悩んでいる方には、非ベンゾジアゼピン系睡眠薬のマイスリー・アモバン・ルネスタなどの方が向いているでしょう。 一度目が覚めてしまうとなかなか寝付けないという方に、ベルソムラは向いています。 このような患者さんにベルソムラを使うと、一度目は覚めてしまうけれども再入眠できるようになることがあります。 また、筋弛緩作用がほとんどないので高齢者にも向いています。 ベンゾジアゼピン系睡眠薬では筋弛緩作用から、ふらついて転倒してしまうこともありました。 ベルソムラではかなり軽減されています。 眠気でふらつくことがあるので注意は必要ですが、高齢者に向いている睡眠薬と言えるかと思います。 高齢者では、せん妄という一時的な意識障害が生じることがあります。 一般的な睡眠薬はせん妄を悪化させますが、ベルソムラはせん妄状態を改善させる方向に働くといわれています。 そういった意味でも、高齢者に向いているといえます。 依存性を気にされる方にもよい睡眠薬です。 ベルソムラは依存性が非常に低い睡眠薬です。 残念ながら完全に依存性がないわけではありませんが、離脱症状や反跳性不眠などの報告はありませんでした。 睡眠薬をやめられなくなってしまうという怖さがある方には、ベルソムラは向いています。 ベルソムラはまだまだ発売されたばかりの睡眠薬です。 実際にベルソムラを使っていく中でどのような方に向いているのか、試行錯誤されている段階です。 例えば、• PTSDの過覚醒の方への不眠に有効ではないか?• 水中毒や摂食障害や依存症などの方の不眠に有効では?• 夜に覚醒が強い子供に有効ではないか?• 双極性障害で不眠の方によいのではないか? などといわれています。 ベルソムラの評価が変わるにつれて、記事を更新していきたいと考えています。 まとめ 覚醒を維持するために必要なオレキシンを阻害することで、睡眠状態へスイッチさせる睡眠薬です。 ベルソムラのメリットとしては、• 入眠障害にそこそこ有効• 中途覚醒に有効• 睡眠が深くなる• 副作用が少ない(健忘・ふらつき)• 依存性が少ない• 処方日数の制限がない ベルソムラのデメリットとしては、• 症例数が少ない(世界に先駆け日本で発売)• 悪夢が多い• 翌日の眠気が多い• グレープフルーツジュースは控えなければいけない• 薬価が高い ベルソムラが向いている方は、• 他に睡眠薬を服用していない方• 中途覚醒が中心である方• 高齢者• 依存性の低い睡眠薬を希望される方 2017年3月22日 カテゴリー• 1,162• 月別アーカイブ•

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