ピアジェ 認知 発達。 ピアジェの「均衡化」が理解できません。「同化」と「調節」は理解できた...

ピアジェの認知発達理論とは (Piaget’s Cognitive developmental theory)

ピアジェ 認知 発達

2014. 03 【学者紹介】Jean Piaget みなさま、こんにちは。 M1の松山です。 冬学期のゼミがスタートしました。 入学から半年が経ちましたが、まだまだ知識不足を感じることが多い毎日です。 読書の秋ということもあり、本や論文を読む時間を増やしていきたいと思います。 さて、第6回の【学者紹介】では、ジャン・ピアジェについて紹介いたします。 ピアジェはスイスの発達心理学者で、発生的認識論を提唱したことなどで知られています。 今回はピアジェの生涯と提唱した理論についてまとめていきたいと思います。 スイスのニューシャテルに生まれたピアジェは、生きものに興味をもつ少年でした。 わずか10歳のときに白スズメの観察記が博物館雑誌に掲載され、その後、博物館で館長の助手として軟体動物学の研究をするようになります。 17歳のとき、神父からベルクソンの「創造的進化」の話を聞いたことをきっかけに、今度は哲学の世界にのめり込みます。 しかし、科学実験で説明できない哲学に対して疑問も感じていました。 成人後、子どもの知能テストのフランス版をつくるアルバイトを経て、子どもの精神分析について考えるようになったピアジェは、ルソー研究所の研究主任に就任し児童心理学の研究を始めます。 3人の子どもに恵まれてからは、自身の子どもの行動を観察して認知発達研究を行いました。 ピアジェの発達心理学の研究は、他の領域の学問に触れながら確立されていったと言えます。 人間の心や認識を一種の構造体としたとき、その構造体がゼロの状態から書き込まれていくのではなく、構造の変化によって発達するという考え方を「構造主義」と呼びます。 対象に変化を加えて自分の中に取り入れること(=同化)と自分自身を変化させて対象に適応させること(=調節)の相互作用プロセスを経て、新たな認識を構成するという理論を「構成主義」と呼びます。 また、ピアジェは認識の道具として「シェマ」という概念を提唱しました。 シェマは「叩く」や「吸う」などのような、物事を考えたり、見たり、行動するときに繰り返される1つの活動単位を意味します。 同化は、言い換えると、シェマを外界の対象に当てはめて既存のシェマに統合することであり、調節は、外界に合わせて自分のシェマを組み替えることであると言えます。 さらに、同化と調節のバランスをとりながらシェマを構成していくことを「均衡化」と言います。 「シェマ」「同化」「調節」「均衡化」の4つがピアジェの提唱した認知発達においての基本的概念です。 ピアジェの提唱した認知発達段階の段階ごとの特徴を以下にまとめます。 自己中心性から脱出することを「脱中心化」と呼びます。 学問が科学であることの条件として、(1)研究対象を十分に限定すること、(2)限定された領域内で問題の解決を可能にする固有の研究方法を持つこと、この二つをピアジェは挙げています。 ピアジェ以前に認識論を語ってきた学問である哲学の場合どうでしょうか。 (1)は、研究対象を限定しないため該当しません。 限定するどころか、哲学は実在の全体を扱おうとする学問です。 (2)に関しても、反省的方法という、どの学問にも共有する研究方法しかない哲学は当てはまりません。 そこで、認識論を科学にするために提唱されたのが発生的認識論です。 発生的認識論は、(1)研究対象を諸認識の拡大のメカニズムに限定し、(2)形式的分析と発生的方法という固有の研究方法を生み出しました。 - - - 研究対象を小中学生としている私にとって、ピアジェの発達心理研究は参考になることが多くありました。 特に具体的操作期から形式的操作期への変移についてもっと深く学びたいと思います。 さて、次回で今テーマ【学者紹介】は最終回になります。

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認知発達(にんちはったつ)とは

ピアジェ 認知 発達

20世紀において最も影響力の大きかった心理学者の一人ジャン・ピアジェ。 教員資格試験や保育士試験などを受けたことがあるなら、その名前を耳にしたことがあるはず。 「子どもは『小さな大人』ではない」とピアジェは言いました。 多数の実験により、彼は子どもが、大人とは異なる独特の物の捉え方や考え方をしており、その特性が、年代ごと段階的に変化していくことを明らかにしました。 この「独特の物の捉え方や考え方」という言葉は、発達障害を表す時にもよく使われます。 ADHD、ASD、LDなどの発達障害のある人にもそれぞれ独特な物の捉え方や考え方があり、こうした障害を持つ人と関わるときは、そうした特性の理解が大切であることを、私達は知っています。 他方、ピアジェによれば 「子ども」という生き物自体にも、それぞれの年齢ごとに独特の特性があり、大人と同じようにできなかったり、その年代の子どもならではの考え方で物事を進めようとするのです。 従って、「発達障害」のある「子ども」を療育するのなら、「各障害ごとの特性」を理解するだけでは不充分で、 「各年代ごとの子どもの発達特性」をも理解する必要があります。 療育の横軸を「障害特性」とするなら、縦軸にあたるのが「認知発達段階」。 この両方のかけあわせがないと、本当の意味でお子さんに合わせた療育はできません。 認知発達の四段階 ピアジェは各年代の子どもを対象とした実験の結果をもとに、子どもが大人へと発達していく過程を、以下の4段階に分けました。 シンボルとは、ある具体的な事象を、別のもので代表したもので、シンボル機能はシンボルを使いこなす機能のことを指します。 シンボルの代表例が、 「名前」です。 実写とイラストで質感や色味が全然違う二つの画像が、同じ「トラ」を表しているとわかるのは、私達がそれらを「トラ」という名前で呼ぶことで、同一であると認識しているからです。 名前の他に、数や量、あるいはゲームのルール、「道徳」や「社会」などといった抽象的な概念までもがシンボルに含まれます。 そして、子どもが大人になるまでの過程で、様々なシンボルの存在を理解し、それらを自由に使いこなせるようになっていくことを、ピアジェは明らかにしたのです。 以下、それぞれの発達段階について解説していきましょう。 「感覚-運動期」の子ども 健常児の0~2歳にあたる「感覚-運動期」は、シンボル機能がまだ形成されていない段階です。 この時期の子どもは、いわば 「目に見えるものだけ・耳に聞こえるものだけ・手に触れるものだけが全て」という世界に生きています。 興味のある遊びも、動きや音、触感などの感覚に訴える単純なものになります。 シンボル機能がまだないため、シンボルの一種である「ルール」が存在するゲームは、まだ遊ぶことができません。 「前操作期」の子ども 「前操作期」というのは、 「シンボル機能を自由に操作できる手前の段階」という意味です。 2歳以降になると、物に名前があることが理解でき、それ伴って言葉を発するようになります。 やや複雑なシンボルである「ルール」も徐々に理解できるようになり、それを他の子と共有することで集団で遊べるようになります。 しかし、シンボル機能を自由に操り、「A案とB案を比較してより望ましい方を選択する」とか、「報酬と危険を天秤にかけてより高い成果が得られそうな方を選択する」といったように合理的・戦略的な思考をすることは、まだできません。 実例からみる認知発達段階 これまでご紹介してきた例の中では、ルールを理解して遊ぶことはまだ難しいけれども、カード遊びで異同の弁別ができたは、「感覚-運動期」から「前操作期」への移行期、言い換えればシンボル機能の芽生えの時期にあると言えます。 また、ゲームのルールを理解して楽しむことができるもの、数や量といったシンボルを自由に使いこなすことはまだ難しかったは、「前操作期」のただ中にいると考えられます。 「具体的操作期」 認知発達の第3段階である「具体的操作期」に入ると、複数のシンボルを組み合わせるなどの自由な操作ができるようになり、さらには状況を客観的に把握し、合理的・戦略的な思考ができるようになってきます。 下の写真は、「具体的操作期」に差し掛かろうとする子どもたちのゲームの様子です。 ルールという「目に見えないシンボル」を共有し、そのルールの中で自分がどう振る前ばよいか合理的に考えている。 そんな様子が、写真からもなんとなく伝わってくるのではないでしょうか。 次回はこの写真の場面を解説しながら、「具体的操作期」のある子どもたちの合理的思考を促す療育を解説していきましょう。

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ピアジェの認知発達理論とは (Piaget’s Cognitive developmental theory)

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20世紀において最も影響力の大きかった心理学者の一人ジャン・ピアジェ。 教員資格試験や保育士試験などを受けたことがあるなら、その名前を耳にしたことがあるはず。 「子どもは『小さな大人』ではない」とピアジェは言いました。 多数の実験により、彼は子どもが、大人とは異なる独特の物の捉え方や考え方をしており、その特性が、年代ごと段階的に変化していくことを明らかにしました。 この「独特の物の捉え方や考え方」という言葉は、発達障害を表す時にもよく使われます。 ADHD、ASD、LDなどの発達障害のある人にもそれぞれ独特な物の捉え方や考え方があり、こうした障害を持つ人と関わるときは、そうした特性の理解が大切であることを、私達は知っています。 他方、ピアジェによれば 「子ども」という生き物自体にも、それぞれの年齢ごとに独特の特性があり、大人と同じようにできなかったり、その年代の子どもならではの考え方で物事を進めようとするのです。 従って、「発達障害」のある「子ども」を療育するのなら、「各障害ごとの特性」を理解するだけでは不充分で、 「各年代ごとの子どもの発達特性」をも理解する必要があります。 療育の横軸を「障害特性」とするなら、縦軸にあたるのが「認知発達段階」。 この両方のかけあわせがないと、本当の意味でお子さんに合わせた療育はできません。 認知発達の四段階 ピアジェは各年代の子どもを対象とした実験の結果をもとに、子どもが大人へと発達していく過程を、以下の4段階に分けました。 シンボルとは、ある具体的な事象を、別のもので代表したもので、シンボル機能はシンボルを使いこなす機能のことを指します。 シンボルの代表例が、 「名前」です。 実写とイラストで質感や色味が全然違う二つの画像が、同じ「トラ」を表しているとわかるのは、私達がそれらを「トラ」という名前で呼ぶことで、同一であると認識しているからです。 名前の他に、数や量、あるいはゲームのルール、「道徳」や「社会」などといった抽象的な概念までもがシンボルに含まれます。 そして、子どもが大人になるまでの過程で、様々なシンボルの存在を理解し、それらを自由に使いこなせるようになっていくことを、ピアジェは明らかにしたのです。 以下、それぞれの発達段階について解説していきましょう。 「感覚-運動期」の子ども 健常児の0~2歳にあたる「感覚-運動期」は、シンボル機能がまだ形成されていない段階です。 この時期の子どもは、いわば 「目に見えるものだけ・耳に聞こえるものだけ・手に触れるものだけが全て」という世界に生きています。 興味のある遊びも、動きや音、触感などの感覚に訴える単純なものになります。 シンボル機能がまだないため、シンボルの一種である「ルール」が存在するゲームは、まだ遊ぶことができません。 「前操作期」の子ども 「前操作期」というのは、 「シンボル機能を自由に操作できる手前の段階」という意味です。 2歳以降になると、物に名前があることが理解でき、それ伴って言葉を発するようになります。 やや複雑なシンボルである「ルール」も徐々に理解できるようになり、それを他の子と共有することで集団で遊べるようになります。 しかし、シンボル機能を自由に操り、「A案とB案を比較してより望ましい方を選択する」とか、「報酬と危険を天秤にかけてより高い成果が得られそうな方を選択する」といったように合理的・戦略的な思考をすることは、まだできません。 実例からみる認知発達段階 これまでご紹介してきた例の中では、ルールを理解して遊ぶことはまだ難しいけれども、カード遊びで異同の弁別ができたは、「感覚-運動期」から「前操作期」への移行期、言い換えればシンボル機能の芽生えの時期にあると言えます。 また、ゲームのルールを理解して楽しむことができるもの、数や量といったシンボルを自由に使いこなすことはまだ難しかったは、「前操作期」のただ中にいると考えられます。 「具体的操作期」 認知発達の第3段階である「具体的操作期」に入ると、複数のシンボルを組み合わせるなどの自由な操作ができるようになり、さらには状況を客観的に把握し、合理的・戦略的な思考ができるようになってきます。 下の写真は、「具体的操作期」に差し掛かろうとする子どもたちのゲームの様子です。 ルールという「目に見えないシンボル」を共有し、そのルールの中で自分がどう振る前ばよいか合理的に考えている。 そんな様子が、写真からもなんとなく伝わってくるのではないでしょうか。 次回はこの写真の場面を解説しながら、「具体的操作期」のある子どもたちの合理的思考を促す療育を解説していきましょう。

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