タンク ソルジャーズ。 映画『タンクソルジャー重戦車KV

タンク・ソルジャーズ【完全版】 DVD

タンク ソルジャーズ

CONTENTS• 1942年7月ロストフ近郊の戦場で、1両のKV-1重戦車を指揮し16両のドイツ軍戦車を撃破した英雄、セミョン・コノワロフ中尉の活躍を描いた戦争映画。 ヒューマントラストシネマ渋谷とシネ・リーブル梅田で開催の「未体験ゾーンの映画たち2019」上映作品。 独ソ戦開戦後、敵の攻勢からモスクワを守り抜いたソビエト軍。 しかし1942年、ドイツ軍は南方で新たな攻勢に転じ、ソビエト軍第15戦車旅団は激戦を繰り返していました。 コノワロフ(アンドレイ・チェルニショフ)指揮するKV-1戦車はドイツ軍戦車を発見し、撃ち合いの末敵を撃破します。 部下に厳しい言葉を浴びせ気を引き締めさせた彼が、砲塔のハッチを開け周囲を警戒すると、ぬかるみにはまり動けないT-34戦車を発見します。 T-34戦車に近寄るコノワロフの戦車。 T-34の乗組員はKV-1に牽引してもらおうと準備しますが、彼らの訓練不足とみたコノワロフは牽引を断り、自力での脱出を指示します。 その場を離れるKV-1。 見晴らしの良い場所に停車すると、コノワロフはT-34の脱出を見守りつつ、砲塔に立って周囲を警戒します。 林の中にドイツ軍戦車を発見したコノワロフ。 応戦は間に合わないと判断した彼は部下に脱出を指示します。 側面から砲撃されたKV-1戦車は爆発し、彼は吹き飛ばされます。 野戦病院に運ばれ手当てを受けるコノワロフ。 傷口を縫われた彼は痛みに耐えて立ち上がり、横たわっている部下に近寄ります。 部下は大火傷を負い苦しんでいましたが、彼以外の乗組員は命を落していました。 コノロワフは雨の降る中、独り立ちすくんでいました。 ロストフ近郊の敵味方の多くの損傷した戦車が残る戦場で、T-34戦車がKV-1戦車を牽引してゆきます。 ソ連軍戦車兵たちは、破損した戦車から使えそうな部品を回収していました。 彼らはパヴラという天才的な整備士が、奇跡的な手腕で戦車を修理すると噂していました。 前線にソ連戦車が向かう中、独ソの戦闘機が低空で空中戦を繰り広げています。 その中の1人の兵士がバイクで走り抜けます。 その兵士は女性でした。 戦車の集結地についたその女兵士は、目の前を走る戦車に指示を出します。 彼女こそ凄腕の戦車整備兵のパヴラ(オルガ・ポゴディーナ)でした。 第15戦車旅団の司令部では指揮官と副官のクロトフ少佐(セルゲイ・ゴロブチェンコ)が、セミョン・コノワロフの処遇について話し合っていました。 クロトフは時に命令に従わず、独断専行で行動するコノワロフを処罰する事を望んでいました。 しかし指揮官はそれに反対します。 指揮官はスペイン内戦にも参加した、彼の経験と実績を高く評価していました。 そして彼にとっては軍法会議よりも、仲間を死なせ生き残った事実こそ罰になっていると諭します。 その2人の前にパヴラが現れ着任を報告します。 クロトフが彼女を案内し技術兵のルイコフ(オレグ・フォミン)を彼女につけると伝えます。 クロトフは装甲が厚く防御力が高いが、重くて変速機が壊れやすいKV-1戦車よりT-34戦車を評価していました。 パヴラはルイコフから修理中のKV-1戦車の説明を受けます。 故障中のKV-1は戦場からかき集めた部品では直らず、新しいエンジンが必要とルイコフは報告します。 パヴラは必要な部品を手配し、何とかすると伝えます。 修理中のKV-1戦車8号車に、新たに砲手として配属されたシートフ(ウラディミール・エピファントセフ)がやってきます。 彼は補助操縦手兼装填手のシンケビッチ(ヴァシリー・セディック)に、自信満々の態度で自己紹介します。 同じ戦車の無線手兼機関銃手グフキンは、シートフと旧知の間柄で2人は再会を喜びます。 部隊にコノワロフが現れ、指揮官とクロトフに復帰を報告します。 その姿の修理中の戦車の上からパヴラが見つめていました。 コノワロフの姿を見たニートフは、また死人を増やしに来たのかと笑いますが、そのコノワロフが8号車の車長と知り悪態をつきます。 8号車の操縦手でもあるルイコフは、コノワロフに戦車の不調を訴えますが、彼は早く修理する様に命じます。 乗員たちは彼の厳しい態度に、厳しい上官を持ったと覚悟します。 その夜、コノワロフは整備兵のパヴラと出会います。 パヴラは再会を喜びますが彼の態度は堅苦しいものでした。 8号車は部品が届くまで動かないと報告するパヴラ。 しかしコノワロフは自分たちで何とかすると告げます。 翌朝、部下の4名を戦車の前に整列させたコノワロフ。 戦車への乗り込みが遅いと叱咤し、罰として自分も含め全員で走ります。 素早く乗り込める様になるまで何度も繰り返します。 夜、部隊の面々は食事をとりウオッカを酌み交わしますが、コノワロフは1人戦車を整備していました。 パヴラが修理したレコードから音楽が流れると、クロトフは彼女にダンスを申し込みますが、パヴラは丁重に断ります。 その後パヴラがコノワロフの元に向かう姿をクロトフは目撃します。 動かない8号車を巡りパヴラと口論となったコノワロフは、戦場に残された戦車から必要な部品の回収を試みます。 夜の闇に紛れ、コノワロフはルイコフとシートフを連れ、トラックで多くの損傷した戦車が放置された前線へ向かいます。 3人は破壊されたKV-1から部品を回収します。 そこにドイツ軍のトラックが現れます。 敵も同じ様に自軍戦車の部品回収に来ていました。 3人は1人のドイツ兵を捕虜にして連れ帰ります。 コノワロフたちの勝手な行動をクロトフは怒り、軍法会議にかけると息巻きますが、部隊の指揮官は彼らの行動を讃え、情報を得るべく捕虜の尋問。 持ち帰った部品で8号車はパヴラが修理し、ようやくエンジンが始動し動けるようになりました。 それを知ったクロトフは、T-34戦車と共に出撃を命じます。 それを知ったパヴラはまだ完全な状態ではないと、クロトフに出撃の中止を訴えますが、コノワロフは戦車は動く、心配ないと告げて部下と共に出撃します。 2両のT-34と共に出撃するKV-1戦車8号車。 しかしエンジンとギアの調子が悪く停車し取り残されます。 T-34の指揮官は8号車に後退するよう指示します。 しかしコノワロフは追いつけると答え、ルイコフとシンケビッチにギアを修理させますが思うように直りません。 やむなくコノワロフは後進で斜面を登るようルイコフに命じます。 8号車は味方と連絡がとれず孤立しますが、敵を発見したコノワロフは先に砲撃して敵戦車を誘い出す事に成功します。 ドイツ軍は3両の4号戦車で向かってきました。 KV-1の装甲を信じ、正面から向かってくる敵を引きつけるコノワロフ。 8号車は敵の命中弾をはじき返します。 KV-1は2両の4号戦車に命中弾を与え炎上させます。 戦闘に気付いたT-34戦車が引き返し、残る1両の4号戦車は挟み撃ちとなって撃破されました。 戦闘は終了し、8号車はT-34に牽引され無事帰ってきました。 しかしコノワロフが後退の命令に従わなったと知ったクロトフは、彼をパヴラの前で責めます。 コノワロフはクロトフを殴り、2人は部隊の皆が見守る中で殴り合いとなりますが、第15戦車旅団の指揮官が現れ2人の争いを制止し、サッカーで決着をつける命じます。 サッカーは他の兵士も参加して行われ、皆のわだかまりは解けていきました。 その後指揮官はコノワロフとクロトフ、T-34の指揮官を集め、なぜ完全な状態でないKV-1で出撃したかコノワロフに説明を求めます。 クロトフは自ら自分が命じたと告白しますが、指揮官は全員に問題があったと告げます。 そしてクロトフに対し、パヴラはコノワロフの妻だと教えます。 彼は自分の行動を恥じるのでした。 8号車が損傷したと知った他の戦車兵は、使える部品を引き取りに集まりますが、シートフは怒って彼らを追い返します。 しかし敵が迫る中、8号車が動かなければコノワロフと部下たちは、歩兵として闘うことになったのです。 それを知ったパヴラは、何としてもKV-1戦車8号車を修理すると指揮官に訴えます。 パヴラとコノワロフたちは徹夜で戦車を修理しますが、朝になっても戦車は動きません。 第15戦車旅団はドイツ軍に対し反撃に転ずるべく、出撃の準備をしています。 クロトフもT-34戦車に乗り込みました。 必死に修理を続けるパヴラの前で、コノワロフの部下たちは銃を手にとります。 パヴラを抱き、別れを告げるコノワロフ。 彼女は絶対に死なないでと訴えます。 コノワロフたちは歩兵として戦車と共に出撃します。 嘆き悲しむパヴラに、司令部の兵が捕虜から得た情報としてドイツ軍に捕獲されたKV-1戦車が1両、故障して放棄されていると教えます。 重くて回収出来ず、武器弾薬と燃料を積んだまま隠されたKV-1戦車の場所をパヴラに告げました。 ドイツ軍陣地を攻撃する第15戦車旅団。 コノワロフたちは塹壕に飛び込み、ドイツ兵と闘います。 激戦の中、味方の兵士を救ったルイコフは撃たれて戦死。 その頃、単身戦場に放棄されたKV-1戦車に向かったパヴラは、その戦車に乗り込むと必要な部品を取り付けます。 ドイツ軍戦車に手榴弾を投げつけ撃破するコノワロフ。 T-34戦車に乗ったクロトフは彼に声をかけ、パヴラが修理しているKV-1戦車の場所を告げ、そこに向かえと命じます。 コノワロフはシートフとシンケビッチ、グフキンを連れパヴラのKV-1戦車へと向かいました。 森の中を進むコノワロフたちは、パヴラが始動させたエンジン音を頼りにKV-1戦車に向かいます。 ついに一行は戦車の元に着きました。 コノワロフとパヴラは抱きあって再会を喜びます。 戦死したルイコフの代わりにパヴラを乗せ、シンケビッチが操縦するKV-1戦車はコノワロフの指揮で移動を開始。 KV-1はドイツ軍のハーフトラックに遭遇します。 シートフが放った砲弾は命中し、ハーフトラックは爆発炎上します。 KV-1は敵の発見の報告を試みますが、グフキンが操作する無線機は味方と連絡が取れません。 戦車を移動させたコノワロフは、砲塔のハッチから身を乗り出し双眼鏡で辺りを観察します。 するとドイツ軍の4号戦車が続々と姿を現します。 敵戦車は10両はいると判断したコノワロフは、敵に正面を向け森を背後に陣取り、後ろに回り込まれないよう戦闘を開始します。 パヴラが砲弾を装填し、シートフは次々と砲弾を放ってKV-1戦車は敵戦車を撃破していきます。 命中した敵弾をはじき返し、KV-1は前進し敵に命中弾を与えます。 炎上する戦車を挟んで近距離で4号戦車と撃ち合いますが、装甲に守られたKV-1は敵戦車を撃破します。 戦車の異常に気付きコノワロフは停車を命じます。 脱出用ハッチから戦車の下に出たシンケビッチは、キャタピラに木が挟まっていると気付き、ハンマーで取り除こうと試みます。 そこに新手の敵戦車と対戦車砲が現れます。 シンケビッチが木を取り除くと同時に、パヴラの操縦で攻撃をかわしたKV-1は、対戦車砲を砲撃します。 しかし生き残ったドイツ兵が操作し放たれた対戦車砲の砲弾は、至近弾となり戦車の下にいたシンケビッチが傷つきます。 KV-1の反撃で対戦車砲は沈黙しますが、グフキンが駆け寄った時にはシンケビッチは死んでいました。 破壊された車両が煙を上げる戦場は、徐々に夕闇に包まれていきます。 辺りが暗くなっても戦闘は続いていました。 近距離で四方から迫るドイツ軍の4号戦車を、コノワロフの指揮で次々撃破していきます。 ついに4号戦車から放たれた砲弾が側面に命中し、KV-1戦車は炎上します。 パヴラが必死に消火し、グフキンは忍び寄るドイツ兵に機銃弾を浴びせます。 近距離まで近寄った4号戦車の砲弾がKV-1に命中、撃破されグフキンも戦死します。 コノワロフと砲手のシートフは、負傷したパヴラを連れて脱出。 ようやく敵を撃破したドイツ戦車は燃え上がるKV-1に近寄ります。 身を潜める3人の前で、4号戦車の乗員は車外に姿を現します。 コノワロフはパヴラに生きて帰るぞと告げ、シートフと共に銃を手に、ドイツ戦車兵に向かっていきます。 ようやく激戦を制した第15戦車旅団。 その前に1両のドイツ戦車が現れます。 クロトフ少佐が気付き皆で迎え撃とうとしますが、4号戦車は停止します。 中から現れたのはコノワロフとシートフ、そしてパヴラの3名でした。 この戦闘でセミョン・コノワロフとその部下は、16両の戦車、2台の装甲車、8台の車両などを破壊し、生き残った3名はドイツ戦車を奪い、無事帰還しました。 ソ連邦英雄の活躍を描いた戦場映画 この映画は、セミョン・コノワロフ中尉の実際の戦場での活躍を基に描かれていますが、映画化されるに当たりフィクションが加えられています。 また旧ソ連で語られた活躍の物語も、プロパガンダとして誇大化、伝説化しているようです。 とりあえずロシアで広く知られている「事実」と映画を比較してみましょう。 1942年7月、ロシア戦線のドイツ南方軍集団のA軍集団は、ヒトラーの命令でカフカスの油田地帯を占領すべくロストフを目指していました。 ちなみに南方軍集団のB軍集団は、映画ファンにもお馴染みの都市、スターリングラードを目指して進撃しています。 A軍集団の第17軍、第1装甲軍を阻止すべく展開したソビエト軍の中に、第15戦車旅団がいました。 そのKV-1戦車小隊を指揮していたのがセミョン・コノワロフ中尉です。 コノワロフ中尉の小隊は激戦と映画で描かれた戦車の故障の結果、1両のKV-1を残すのみとなります。 1942年7月13日、コノワロフの戦車は故障と燃料不足から、ロストフ近郊タラソフスキー地区のニシュネミチャキン集落に残り、第15戦車旅団の後退を援護することになります。 ソ連時代広く宣伝された物語では、コノワロフは志願して残った老いた兵と共に、徹底して抗戦することを決意します。 彼らの前にまずドイツ軍装甲車が現れ、その後に膨大な数の戦車、ハーフトラック、自動車両が続きます。 ドイツ戦車の合計は70両以上になったと伝えられていますが、映画の方がかえって現実的な数の敵と対決しているとも思えます。 3号、4号戦車で迫るドイツ軍に対し、コノワロフは地形を利用して巧みに防御戦を行い、映画で紹介された戦果(資料によって差がある模様)を上げます。 長時間の戦闘の後、KV-1戦車はついに炎上し、コノワロフを含む3名を残し他は戦死しました。 翌7月14日、第15戦車旅団の偵察部隊は、激戦の後に破壊されたKV-1を発見、コノワロフも戦死したものと判断します。 報告を受けた旅団長は彼の功績を讃え、ソ連邦英雄に推薦します。 しかし生き残ったコロノワフと部下は敵の目を逃れて脱出、4日目には遭遇したドイツ軍戦車を撃破し、その後ソ連軍の最前線に無事到着します。 コロノワフの親戚は、彼の戦死とソ連邦英雄受賞の報告を受けた1か月後に、本人から生還の手紙をもらったというエピソードもあります。 コロノワフは結婚し子供にも恵まれていますが、むろん夫人は映画に登場したような人物ではありません。 彼は1989年に68歳で亡くなっています。 この映画の主役は何と言っても戦車。 KV-1戦車の強さ、機械的な弱さが実感できるように描かれています。 コノワロフ指揮する戦車の活躍には映画的フィクションと、プロパガンダ伝説をそのままストーリー化した要素が確かに存在しています。 しかしKV-1戦車と当時のドイツ戦車の性能を知る人なら、有利な条件で戦った際の強さはご存知のはず。 戦車戦の描写は実にリアルに描かれています。 この作品にはプロパガンダ映画的な「女子供を盾にする卑劣なドイツ軍」、といった描写はありません。 ドイツ軍とは戦場の攻防に終始する展開は、作り手の余裕すら感じさせます。 その一方で機械的故障に泣かされ、稼働率や退却時の放棄率は、ドイツ軍のティーガー戦車より悪かったというKV-1戦車。 その整備や操縦の難しさが伝わってくる描き方をしています。 映画で当初装填手として活躍する乗員のシンケビッチ、彼の正しい役職名は「補助操縦手兼整備手」。 KV-1が如何に操縦し辛く、機械的故障が多いか実感させられます。 そして車長のコノワロフの役職名は「車長兼装填手」。 彼が砲弾の装填をシンケビッチやパヴラに任せ、視界の悪いKV-1で敵の発見に全力を尽く姿は、説得力のある演出です。 戦車に関する描写や乗員の役割に注目すると、マニアには発見が尽きない映画です。 もっとも目の肥えた戦車マニアなら、誤りとして指摘したくなる点も多数存在します。 宣伝によってはティーガー戦車とも紹介されているドイツ軍戦車は、1942年当時存在していない長砲身、補助装甲板付きの4号戦車。 参考映像:ホワイトタイガー ナチス極秘戦車・宿命の砲火 2014 「未体験ゾーンの映画たち2014」で観客賞受賞した映画『ホワイトタイガー ナチス極秘戦車・宿命の砲火』でも、タイトルとなった極秘戦車は撮影用に改造したティーガー戦車でした。 一方数多くのソビエト軍戦車が現存するロシア。 KV-1とともにT-34戦車も登場しますが、時代設定を意識した76㎜砲搭載型が登場するシーンがあるのは流石です。 しかし戦闘シーンなど、大いに動き回るシーンに登場するのは、当時存在していない85㎜砲搭載型。 旧ソ連製戦車といえど、現在も稼働できる戦車の種類には制約があるのでしょう。 博物館にあったティーガー戦車を動かし登場させ、話題となった映画『フューリー』も、対するブラッド・ピット率いる部隊のM4シャーマン戦車の形式はバラバラでした。 かつて大量に製造された連合軍の戦車といえど、現在も動く車両はごくわずか。 完全に時代考証を再現するには、レプリカかCGで登場して頂くしかありません。 ここは一つ広い心で、作品に登場する76㎜砲搭載T-34戦車も、砲塔が時代に合わないとなどと口にせず、画面狭しと動き回る実物戦車の迫力を楽しみましょう。 戦車が事実上の主役である映画『タンク・ソルジャー 重戦車KV-1』が、いかに戦車マニア必見の映画であるかお判り頂けたでしょうか。 CGによって失われた兵器がスクリーンに甦ることが可能になりましたが、一方でクリストファー・ノーラン監督の『ダンケルク』のように、実物の使用に拘った映画も登場しています。 『ダンケルク』では現存しないドイツ軍機は、大型のラジコン機を使用した撮影で実物感を表現し、CGは現実感の補正の手段として使用しています。 2019年アカデミー視覚効果賞を獲得した『ファースト・マン』も、実物大の模型を使用しCGを背景に撮影した数々の特殊効果シーンが高く評価されています。 CG技術の発展が、かえって実物の持つ魅力と価値を再評価させている感があります。 この映画で戦車の持つ、実物ならではの迫力と臨場感をぜひ味わって下さい。 次回の「未体験ゾーンの映画たち2019見破録」は… C C 2018 OASISENT. ALL RIGHTS RESERVED. 次回の第36回は 凄惨な事件の後、名前を変え新たな人生を歩む女性が、過去の悪夢に再び苦しめられる…。 韓国製ミステリー映画『マリオネット 私が殺された日』を紹介いたします。 お楽しみに。

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CONTENTS• 1942年7月ロストフ近郊の戦場で、1両のKV-1重戦車を指揮し16両のドイツ軍戦車を撃破した英雄、セミョン・コノワロフ中尉の活躍を描いた戦争映画。 ヒューマントラストシネマ渋谷とシネ・リーブル梅田で開催の「未体験ゾーンの映画たち2019」上映作品。 独ソ戦開戦後、敵の攻勢からモスクワを守り抜いたソビエト軍。 しかし1942年、ドイツ軍は南方で新たな攻勢に転じ、ソビエト軍第15戦車旅団は激戦を繰り返していました。 コノワロフ(アンドレイ・チェルニショフ)指揮するKV-1戦車はドイツ軍戦車を発見し、撃ち合いの末敵を撃破します。 部下に厳しい言葉を浴びせ気を引き締めさせた彼が、砲塔のハッチを開け周囲を警戒すると、ぬかるみにはまり動けないT-34戦車を発見します。 T-34戦車に近寄るコノワロフの戦車。 T-34の乗組員はKV-1に牽引してもらおうと準備しますが、彼らの訓練不足とみたコノワロフは牽引を断り、自力での脱出を指示します。 その場を離れるKV-1。 見晴らしの良い場所に停車すると、コノワロフはT-34の脱出を見守りつつ、砲塔に立って周囲を警戒します。 林の中にドイツ軍戦車を発見したコノワロフ。 応戦は間に合わないと判断した彼は部下に脱出を指示します。 側面から砲撃されたKV-1戦車は爆発し、彼は吹き飛ばされます。 野戦病院に運ばれ手当てを受けるコノワロフ。 傷口を縫われた彼は痛みに耐えて立ち上がり、横たわっている部下に近寄ります。 部下は大火傷を負い苦しんでいましたが、彼以外の乗組員は命を落していました。 コノロワフは雨の降る中、独り立ちすくんでいました。 ロストフ近郊の敵味方の多くの損傷した戦車が残る戦場で、T-34戦車がKV-1戦車を牽引してゆきます。 ソ連軍戦車兵たちは、破損した戦車から使えそうな部品を回収していました。 彼らはパヴラという天才的な整備士が、奇跡的な手腕で戦車を修理すると噂していました。 前線にソ連戦車が向かう中、独ソの戦闘機が低空で空中戦を繰り広げています。 その中の1人の兵士がバイクで走り抜けます。 その兵士は女性でした。 戦車の集結地についたその女兵士は、目の前を走る戦車に指示を出します。 彼女こそ凄腕の戦車整備兵のパヴラ(オルガ・ポゴディーナ)でした。 第15戦車旅団の司令部では指揮官と副官のクロトフ少佐(セルゲイ・ゴロブチェンコ)が、セミョン・コノワロフの処遇について話し合っていました。 クロトフは時に命令に従わず、独断専行で行動するコノワロフを処罰する事を望んでいました。 しかし指揮官はそれに反対します。 指揮官はスペイン内戦にも参加した、彼の経験と実績を高く評価していました。 そして彼にとっては軍法会議よりも、仲間を死なせ生き残った事実こそ罰になっていると諭します。 その2人の前にパヴラが現れ着任を報告します。 クロトフが彼女を案内し技術兵のルイコフ(オレグ・フォミン)を彼女につけると伝えます。 クロトフは装甲が厚く防御力が高いが、重くて変速機が壊れやすいKV-1戦車よりT-34戦車を評価していました。 パヴラはルイコフから修理中のKV-1戦車の説明を受けます。 故障中のKV-1は戦場からかき集めた部品では直らず、新しいエンジンが必要とルイコフは報告します。 パヴラは必要な部品を手配し、何とかすると伝えます。 修理中のKV-1戦車8号車に、新たに砲手として配属されたシートフ(ウラディミール・エピファントセフ)がやってきます。 彼は補助操縦手兼装填手のシンケビッチ(ヴァシリー・セディック)に、自信満々の態度で自己紹介します。 同じ戦車の無線手兼機関銃手グフキンは、シートフと旧知の間柄で2人は再会を喜びます。 部隊にコノワロフが現れ、指揮官とクロトフに復帰を報告します。 その姿の修理中の戦車の上からパヴラが見つめていました。 コノワロフの姿を見たニートフは、また死人を増やしに来たのかと笑いますが、そのコノワロフが8号車の車長と知り悪態をつきます。 8号車の操縦手でもあるルイコフは、コノワロフに戦車の不調を訴えますが、彼は早く修理する様に命じます。 乗員たちは彼の厳しい態度に、厳しい上官を持ったと覚悟します。 その夜、コノワロフは整備兵のパヴラと出会います。 パヴラは再会を喜びますが彼の態度は堅苦しいものでした。 8号車は部品が届くまで動かないと報告するパヴラ。 しかしコノワロフは自分たちで何とかすると告げます。 翌朝、部下の4名を戦車の前に整列させたコノワロフ。 戦車への乗り込みが遅いと叱咤し、罰として自分も含め全員で走ります。 素早く乗り込める様になるまで何度も繰り返します。 夜、部隊の面々は食事をとりウオッカを酌み交わしますが、コノワロフは1人戦車を整備していました。 パヴラが修理したレコードから音楽が流れると、クロトフは彼女にダンスを申し込みますが、パヴラは丁重に断ります。 その後パヴラがコノワロフの元に向かう姿をクロトフは目撃します。 動かない8号車を巡りパヴラと口論となったコノワロフは、戦場に残された戦車から必要な部品の回収を試みます。 夜の闇に紛れ、コノワロフはルイコフとシートフを連れ、トラックで多くの損傷した戦車が放置された前線へ向かいます。 3人は破壊されたKV-1から部品を回収します。 そこにドイツ軍のトラックが現れます。 敵も同じ様に自軍戦車の部品回収に来ていました。 3人は1人のドイツ兵を捕虜にして連れ帰ります。 コノワロフたちの勝手な行動をクロトフは怒り、軍法会議にかけると息巻きますが、部隊の指揮官は彼らの行動を讃え、情報を得るべく捕虜の尋問。 持ち帰った部品で8号車はパヴラが修理し、ようやくエンジンが始動し動けるようになりました。 それを知ったクロトフは、T-34戦車と共に出撃を命じます。 それを知ったパヴラはまだ完全な状態ではないと、クロトフに出撃の中止を訴えますが、コノワロフは戦車は動く、心配ないと告げて部下と共に出撃します。 2両のT-34と共に出撃するKV-1戦車8号車。 しかしエンジンとギアの調子が悪く停車し取り残されます。 T-34の指揮官は8号車に後退するよう指示します。 しかしコノワロフは追いつけると答え、ルイコフとシンケビッチにギアを修理させますが思うように直りません。 やむなくコノワロフは後進で斜面を登るようルイコフに命じます。 8号車は味方と連絡がとれず孤立しますが、敵を発見したコノワロフは先に砲撃して敵戦車を誘い出す事に成功します。 ドイツ軍は3両の4号戦車で向かってきました。 KV-1の装甲を信じ、正面から向かってくる敵を引きつけるコノワロフ。 8号車は敵の命中弾をはじき返します。 KV-1は2両の4号戦車に命中弾を与え炎上させます。 戦闘に気付いたT-34戦車が引き返し、残る1両の4号戦車は挟み撃ちとなって撃破されました。 戦闘は終了し、8号車はT-34に牽引され無事帰ってきました。 しかしコノワロフが後退の命令に従わなったと知ったクロトフは、彼をパヴラの前で責めます。 コノワロフはクロトフを殴り、2人は部隊の皆が見守る中で殴り合いとなりますが、第15戦車旅団の指揮官が現れ2人の争いを制止し、サッカーで決着をつける命じます。 サッカーは他の兵士も参加して行われ、皆のわだかまりは解けていきました。 その後指揮官はコノワロフとクロトフ、T-34の指揮官を集め、なぜ完全な状態でないKV-1で出撃したかコノワロフに説明を求めます。 クロトフは自ら自分が命じたと告白しますが、指揮官は全員に問題があったと告げます。 そしてクロトフに対し、パヴラはコノワロフの妻だと教えます。 彼は自分の行動を恥じるのでした。 8号車が損傷したと知った他の戦車兵は、使える部品を引き取りに集まりますが、シートフは怒って彼らを追い返します。 しかし敵が迫る中、8号車が動かなければコノワロフと部下たちは、歩兵として闘うことになったのです。 それを知ったパヴラは、何としてもKV-1戦車8号車を修理すると指揮官に訴えます。 パヴラとコノワロフたちは徹夜で戦車を修理しますが、朝になっても戦車は動きません。 第15戦車旅団はドイツ軍に対し反撃に転ずるべく、出撃の準備をしています。 クロトフもT-34戦車に乗り込みました。 必死に修理を続けるパヴラの前で、コノワロフの部下たちは銃を手にとります。 パヴラを抱き、別れを告げるコノワロフ。 彼女は絶対に死なないでと訴えます。 コノワロフたちは歩兵として戦車と共に出撃します。 嘆き悲しむパヴラに、司令部の兵が捕虜から得た情報としてドイツ軍に捕獲されたKV-1戦車が1両、故障して放棄されていると教えます。 重くて回収出来ず、武器弾薬と燃料を積んだまま隠されたKV-1戦車の場所をパヴラに告げました。 ドイツ軍陣地を攻撃する第15戦車旅団。 コノワロフたちは塹壕に飛び込み、ドイツ兵と闘います。 激戦の中、味方の兵士を救ったルイコフは撃たれて戦死。 その頃、単身戦場に放棄されたKV-1戦車に向かったパヴラは、その戦車に乗り込むと必要な部品を取り付けます。 ドイツ軍戦車に手榴弾を投げつけ撃破するコノワロフ。 T-34戦車に乗ったクロトフは彼に声をかけ、パヴラが修理しているKV-1戦車の場所を告げ、そこに向かえと命じます。 コノワロフはシートフとシンケビッチ、グフキンを連れパヴラのKV-1戦車へと向かいました。 森の中を進むコノワロフたちは、パヴラが始動させたエンジン音を頼りにKV-1戦車に向かいます。 ついに一行は戦車の元に着きました。 コノワロフとパヴラは抱きあって再会を喜びます。 戦死したルイコフの代わりにパヴラを乗せ、シンケビッチが操縦するKV-1戦車はコノワロフの指揮で移動を開始。 KV-1はドイツ軍のハーフトラックに遭遇します。 シートフが放った砲弾は命中し、ハーフトラックは爆発炎上します。 KV-1は敵の発見の報告を試みますが、グフキンが操作する無線機は味方と連絡が取れません。 戦車を移動させたコノワロフは、砲塔のハッチから身を乗り出し双眼鏡で辺りを観察します。 するとドイツ軍の4号戦車が続々と姿を現します。 敵戦車は10両はいると判断したコノワロフは、敵に正面を向け森を背後に陣取り、後ろに回り込まれないよう戦闘を開始します。 パヴラが砲弾を装填し、シートフは次々と砲弾を放ってKV-1戦車は敵戦車を撃破していきます。 命中した敵弾をはじき返し、KV-1は前進し敵に命中弾を与えます。 炎上する戦車を挟んで近距離で4号戦車と撃ち合いますが、装甲に守られたKV-1は敵戦車を撃破します。 戦車の異常に気付きコノワロフは停車を命じます。 脱出用ハッチから戦車の下に出たシンケビッチは、キャタピラに木が挟まっていると気付き、ハンマーで取り除こうと試みます。 そこに新手の敵戦車と対戦車砲が現れます。 シンケビッチが木を取り除くと同時に、パヴラの操縦で攻撃をかわしたKV-1は、対戦車砲を砲撃します。 しかし生き残ったドイツ兵が操作し放たれた対戦車砲の砲弾は、至近弾となり戦車の下にいたシンケビッチが傷つきます。 KV-1の反撃で対戦車砲は沈黙しますが、グフキンが駆け寄った時にはシンケビッチは死んでいました。 破壊された車両が煙を上げる戦場は、徐々に夕闇に包まれていきます。 辺りが暗くなっても戦闘は続いていました。 近距離で四方から迫るドイツ軍の4号戦車を、コノワロフの指揮で次々撃破していきます。 ついに4号戦車から放たれた砲弾が側面に命中し、KV-1戦車は炎上します。 パヴラが必死に消火し、グフキンは忍び寄るドイツ兵に機銃弾を浴びせます。 近距離まで近寄った4号戦車の砲弾がKV-1に命中、撃破されグフキンも戦死します。 コノワロフと砲手のシートフは、負傷したパヴラを連れて脱出。 ようやく敵を撃破したドイツ戦車は燃え上がるKV-1に近寄ります。 身を潜める3人の前で、4号戦車の乗員は車外に姿を現します。 コノワロフはパヴラに生きて帰るぞと告げ、シートフと共に銃を手に、ドイツ戦車兵に向かっていきます。 ようやく激戦を制した第15戦車旅団。 その前に1両のドイツ戦車が現れます。 クロトフ少佐が気付き皆で迎え撃とうとしますが、4号戦車は停止します。 中から現れたのはコノワロフとシートフ、そしてパヴラの3名でした。 この戦闘でセミョン・コノワロフとその部下は、16両の戦車、2台の装甲車、8台の車両などを破壊し、生き残った3名はドイツ戦車を奪い、無事帰還しました。 ソ連邦英雄の活躍を描いた戦場映画 この映画は、セミョン・コノワロフ中尉の実際の戦場での活躍を基に描かれていますが、映画化されるに当たりフィクションが加えられています。 また旧ソ連で語られた活躍の物語も、プロパガンダとして誇大化、伝説化しているようです。 とりあえずロシアで広く知られている「事実」と映画を比較してみましょう。 1942年7月、ロシア戦線のドイツ南方軍集団のA軍集団は、ヒトラーの命令でカフカスの油田地帯を占領すべくロストフを目指していました。 ちなみに南方軍集団のB軍集団は、映画ファンにもお馴染みの都市、スターリングラードを目指して進撃しています。 A軍集団の第17軍、第1装甲軍を阻止すべく展開したソビエト軍の中に、第15戦車旅団がいました。 そのKV-1戦車小隊を指揮していたのがセミョン・コノワロフ中尉です。 コノワロフ中尉の小隊は激戦と映画で描かれた戦車の故障の結果、1両のKV-1を残すのみとなります。 1942年7月13日、コノワロフの戦車は故障と燃料不足から、ロストフ近郊タラソフスキー地区のニシュネミチャキン集落に残り、第15戦車旅団の後退を援護することになります。 ソ連時代広く宣伝された物語では、コノワロフは志願して残った老いた兵と共に、徹底して抗戦することを決意します。 彼らの前にまずドイツ軍装甲車が現れ、その後に膨大な数の戦車、ハーフトラック、自動車両が続きます。 ドイツ戦車の合計は70両以上になったと伝えられていますが、映画の方がかえって現実的な数の敵と対決しているとも思えます。 3号、4号戦車で迫るドイツ軍に対し、コノワロフは地形を利用して巧みに防御戦を行い、映画で紹介された戦果(資料によって差がある模様)を上げます。 長時間の戦闘の後、KV-1戦車はついに炎上し、コノワロフを含む3名を残し他は戦死しました。 翌7月14日、第15戦車旅団の偵察部隊は、激戦の後に破壊されたKV-1を発見、コノワロフも戦死したものと判断します。 報告を受けた旅団長は彼の功績を讃え、ソ連邦英雄に推薦します。 しかし生き残ったコロノワフと部下は敵の目を逃れて脱出、4日目には遭遇したドイツ軍戦車を撃破し、その後ソ連軍の最前線に無事到着します。 コロノワフの親戚は、彼の戦死とソ連邦英雄受賞の報告を受けた1か月後に、本人から生還の手紙をもらったというエピソードもあります。 コロノワフは結婚し子供にも恵まれていますが、むろん夫人は映画に登場したような人物ではありません。 彼は1989年に68歳で亡くなっています。 この映画の主役は何と言っても戦車。 KV-1戦車の強さ、機械的な弱さが実感できるように描かれています。 コノワロフ指揮する戦車の活躍には映画的フィクションと、プロパガンダ伝説をそのままストーリー化した要素が確かに存在しています。 しかしKV-1戦車と当時のドイツ戦車の性能を知る人なら、有利な条件で戦った際の強さはご存知のはず。 戦車戦の描写は実にリアルに描かれています。 この作品にはプロパガンダ映画的な「女子供を盾にする卑劣なドイツ軍」、といった描写はありません。 ドイツ軍とは戦場の攻防に終始する展開は、作り手の余裕すら感じさせます。 その一方で機械的故障に泣かされ、稼働率や退却時の放棄率は、ドイツ軍のティーガー戦車より悪かったというKV-1戦車。 その整備や操縦の難しさが伝わってくる描き方をしています。 映画で当初装填手として活躍する乗員のシンケビッチ、彼の正しい役職名は「補助操縦手兼整備手」。 KV-1が如何に操縦し辛く、機械的故障が多いか実感させられます。 そして車長のコノワロフの役職名は「車長兼装填手」。 彼が砲弾の装填をシンケビッチやパヴラに任せ、視界の悪いKV-1で敵の発見に全力を尽く姿は、説得力のある演出です。 戦車に関する描写や乗員の役割に注目すると、マニアには発見が尽きない映画です。 もっとも目の肥えた戦車マニアなら、誤りとして指摘したくなる点も多数存在します。 宣伝によってはティーガー戦車とも紹介されているドイツ軍戦車は、1942年当時存在していない長砲身、補助装甲板付きの4号戦車。 参考映像:ホワイトタイガー ナチス極秘戦車・宿命の砲火 2014 「未体験ゾーンの映画たち2014」で観客賞受賞した映画『ホワイトタイガー ナチス極秘戦車・宿命の砲火』でも、タイトルとなった極秘戦車は撮影用に改造したティーガー戦車でした。 一方数多くのソビエト軍戦車が現存するロシア。 KV-1とともにT-34戦車も登場しますが、時代設定を意識した76㎜砲搭載型が登場するシーンがあるのは流石です。 しかし戦闘シーンなど、大いに動き回るシーンに登場するのは、当時存在していない85㎜砲搭載型。 旧ソ連製戦車といえど、現在も稼働できる戦車の種類には制約があるのでしょう。 博物館にあったティーガー戦車を動かし登場させ、話題となった映画『フューリー』も、対するブラッド・ピット率いる部隊のM4シャーマン戦車の形式はバラバラでした。 かつて大量に製造された連合軍の戦車といえど、現在も動く車両はごくわずか。 完全に時代考証を再現するには、レプリカかCGで登場して頂くしかありません。 ここは一つ広い心で、作品に登場する76㎜砲搭載T-34戦車も、砲塔が時代に合わないとなどと口にせず、画面狭しと動き回る実物戦車の迫力を楽しみましょう。 戦車が事実上の主役である映画『タンク・ソルジャー 重戦車KV-1』が、いかに戦車マニア必見の映画であるかお判り頂けたでしょうか。 CGによって失われた兵器がスクリーンに甦ることが可能になりましたが、一方でクリストファー・ノーラン監督の『ダンケルク』のように、実物の使用に拘った映画も登場しています。 『ダンケルク』では現存しないドイツ軍機は、大型のラジコン機を使用した撮影で実物感を表現し、CGは現実感の補正の手段として使用しています。 2019年アカデミー視覚効果賞を獲得した『ファースト・マン』も、実物大の模型を使用しCGを背景に撮影した数々の特殊効果シーンが高く評価されています。 CG技術の発展が、かえって実物の持つ魅力と価値を再評価させている感があります。 この映画で戦車の持つ、実物ならではの迫力と臨場感をぜひ味わって下さい。 次回の「未体験ゾーンの映画たち2019見破録」は… C C 2018 OASISENT. ALL RIGHTS RESERVED. 次回の第36回は 凄惨な事件の後、名前を変え新たな人生を歩む女性が、過去の悪夢に再び苦しめられる…。 韓国製ミステリー映画『マリオネット 私が殺された日』を紹介いたします。 お楽しみに。

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ロシア版 戦争大河ドラマが日本初上陸「タンク・ソルジャーズ ~史上最大の戦車戦に挑んだ兵士たち~」9月15日(日)よりレギュラー放送開始!│ニュース│映画専門チャンネル「ムービープラス」

タンク ソルジャーズ

私はミリオタや戦車好きでもないので、詳しいことはよくわかりませんでしたが、私の感想は以下のような感じでした。 古いタイプの戦車がいっぱい登場してスゴイ! しかも、ちゃんと走ってるし!! 内部もしっかりと見せてくれるし! 火薬がバンバン爆発していて戦闘シーンは迫力があるし!! 色々と見ごたえがある。 1台で10数台の戦車をやっつけたにしては、勝つに至ったロジックが弱い。 なんで勝てたのか?がよくわからない。 もう少し、(観る側が)素人にも納得できるものであれば良かった。 まさかの史実ベースの話 無茶苦茶な設定だし、マクロな世界のミクロな話しで世界観がスゴイし、なんか粋なキャラや展開でグイグイ話が進むし(古い映画っぽい)、で、「何だこれ?」と思っていたら、まさかの史実ベース。 史実は小説より奇なり、とはまさにこの事だと思いました。 1942年 飛行機も飛ぶ 初っ端からKV-1撃破され部下を失う 熱血指揮官。 整備士は妻 装甲厚さアピール 8号車のエンジンがイカれて歩兵に転属 今生の別れみたいになった。 代わりのKV1見つかった!「あなたのために直した」 敵戦車10両と対決 次々撃破。 被弾シーンが1パターン 対戦車砲1人死亡 夜戦なっても活躍 2人目 燃えるKV1 妻も負傷。 最後は白兵戦。 あれフェイドアウト 敵のティガー1(IV号戦車らしい)を奪って帰還。 テロップでは16機撃破(トータルか?)したので ソビエト軍最高の賞に推挙されたとのこと 実話ぽくしたかった? KV1は重量のせいで駆動系に問題あったてことか。 砲塔がかわいらしい割に威力大 宣伝にあった「ドイツ軍のティーガー重戦車師団10輌以上を相手に、単騎で戦いを挑んだ、ソ連軍の戦車兵たちの実話をもとに描いたロシア発の戦争アクション」って、あまり当たってなくて。 ドイツ側の戦車バリエーション少なく、ティーガーはあまり出てこなくてIV(4)号戦車ばっかじゃねーか! ってツッコミを心の中で入れる羽目になりましたが。 設定的にはけっこうめちゃくちゃ。 でも、KV-1が動き回ってるのが観られるだけで全然OK。 ソ連の戦車は無敵であります。 美化しすぎて、もはや実話を超えて神話レベルに無敵であります。 KVの装甲は、敵の弾をほとんど跳ね返すのであります。 ティーガー(いやほとんどIV号だけど)なんて装甲が紙みたいで、KVの一撃で爆発するであります。 めちゃくちゃさが、むしろ楽しかったー! 装甲の厚さと破壊力には定評があっても、駆動系が弱くてすぐ壊れるし整備に時間がかかるって欠点は、誇張はあっても、しっかり描かれていました。 ただ、最後の戦闘シーンでのドイツ戦車内での、ドイツ語会話の部分が残念でした。 よく日本のテレビで、外国人が母国語でしゃべってるのに、声優さんがわざとらしい日本語で上にかぶせる演出ってあるじゃないですか。 あれ同様に、ドイツ語の上にロシア語セリフをかぶせるため、戦争映画的なリアリティが瓦解して、いきなりバラエティ・ワイドショーの再現ドラマ風になっちゃうんですよね。 「デスカムトゥルー」 C IZANAGIGAMES, Inc. All rights reserved. 「ソニック・ザ・ムービー」 C 2020 PARAMOUNT PICTURES AND SEGA OF AMERICA, INC. ALL RIGHTS RESERVED. 「エジソンズ・ゲーム」 C 2018 Lantern Entertainment LLC. All Rights Reserved. 」 C 2019 Sony Pictures Television Inc. and CBS Studios Inc. All Rights Reserved. 「ドクター・ドリトル」 C 2019 Universal Pictures. All Rights Reserved.

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