営業スタイルの変化。 インサイト営業と従来の3つの営業スタイル|AIを駆使した未来型営業

営業スタイルが劇的に進化!最新の営業手法&営業種類を徹底解説

営業スタイルの変化

実は 『営業スタイル』 という言葉には、 確立した定義がありません。 色々な観点からの分類分け、 種類分けがされています。 そこで、 どんな分類があるのかを まずは知ってもらい、 どんな人に向いているのか? を解説していきたいと思います。 少し横文字が 多い気がしますが(笑) 分類を覚えるというよりは、 手法の中身を学んで、 仕事に活かせないか考えてみて下さい。 顧客に 「何か御用(注文)は ございませんか?」 と聞いて回る営業スタイル です。 一度取引関係に入ってしまえば、 定期的に聞いて回ることで 継続的に受注が期待できます。 また以前は、顧客も他の業者を改めて 探すのがもの凄く手間でした。 ネットが普及していなかったからです。 しかし現在では、 ネットで簡単に業者を検索、 比較検討できるので、 一部の業界を除き、 もはや通用しない方法と言えます。 仲の良い顧客には 使えるかもしれませんが… ルートセールスとも 言われることがあり、 主に既存顧客のフォローの 意味合いも兼ねて 使われていた言葉と言えるでしょう。 『ん?何で当然の事を 言っているんだ?』 となりますが、 「こんな商品がありますよ」 と自ら商品を提示していく点で、 御用聞き営業よりは 能動的、積極的になっています。 また、営業が自分本位で売り込み、 ニーズに合わない商品を 提供してしまう危険があります。 御用聞き営業と同様で、 ネットが普及していない時代で 一定の結果を出せたものの、 ネットが普及している現在では、 商品を持っていくだけでは ほとんど売れないでしょう。 そして、 売れなくなった分を穴埋めしようと、 説得ので切り返す手法は、 現在でも行われていて 一定の成果を出しています。 ただこの手法は、 相手と対立する事が多く、 精神的に辛い思いをする ことになるので、 メンタルの強い人でなければ やり続けることは困難です。 なお、 企業や商品知名度が非常に高く、 商品力で他社を圧倒できる場合は、 むしろ商品提案型営業が 適しているはずです。 このような場合、 変な小細工は不要だからです。 課題解決型営業(ソリューション営業) 相手の課題(問題)を聞き出し、 その課題を解決(solution) できるような提案を 自社商品とひも付けて提案する営業です。 商品提案型営業より、 売り込みの要素を小さくできます。 ポイントは、 解決する 課題を相手が認識している 点です。 例えば、 売上が伸びない原因として、 ライバルがweb集客しているのに 『自社ではweb集客ができていない』 という課題を相手から聞き出し、 『web集客手段として Twitter運用の代行サービス』 を提案します。 相手の課題を 聞き出すのが前提なので、 相手の課題に合わない 提案をすることは 論理的にはなくなるはずです。 しかし、 相手が認識している課題が 必ずしも本質的な課題だとは 限りません。 そのため、 商品と顧客のミスマッチが 生じる可能性があります。 また、 営業が相手の課題と自社製品とを 無理やりひも付けて提案してしまう 可能性もあります。 インサイト営業(インサイトセールス) 相手の課題(問題)を聞き出す点は、 ソリューション営業と同じです。 しかし、 相手の認識している課題に捉われず、 相手の潜在的な課題を探り当てて その課題を解決する提案を 自社商品とひも付けて提案する のがインサイト営業です。 インサイト(insight)とは、 洞察、見抜く力という意味です。 例えば、 最近、営業部隊の売上が悪く、 『営業部隊を上手く マネジメントできてない』 という相手の課題認識に対し、 他の原因は考えられないか? をヒアリングなどを通して深掘りする。 そして、実は 『競合が価格競争に乗り出し、 現状の販売価格が維持できない事』 が売上低迷の真の原因で、 その解決策として 『商品の付加価値を上げる解決策』 を提案します。 相手が気付いていない課題にまで 気を配り見極める必要があるので、 ソリューション営業より 段違いで難易度は高いです。 『顧客本位』の考え方が根底にあり、 他社や営業と差別化するためにも、 今後は インサイト営業を 目指していくべきです。 相手は、 『真に解決すべき課題に 気付かせてくれた上で、 その解決も手伝ってくれる』 という価値を 営業に感じるでしょう。 また、相手との関係は、 敵対関係ではなく、 協力関係です。 協力関係を築ければ、 売り込まずに営業を行うことができます。 業界知識だけにとどまらず、 ビジネス全般の 総合力も問われるため、 継続的な勉強が必要な営業スタイル と言えるかもしれません。 ツイッターに顧客本位で 良い感じの例があったので 引用しておきます。 売らない営業はすごいね。 午前中に商談があったんだけど、こういうことやりたいを伝えたら「ここの会社使ってこうしたらいいですよ」と他社のサービスを紹介してくれた。 さらに「その中でうちはこういう手伝いもできますよ」と追加提案。 顧客視点の提案は信頼感しかない。 — 西崎康平@ブラックな社長 koheinishizaki こういった提案をしたいならば、 私は、 マーケティングを学ぶ事をオススメします。 マーケティングを学ぶことで、 ビジネス全般の総合力が高くなり、 提案力を高められるからです。 縦軸にこの分類を、 横軸に、所属企業が、 中堅大手企業の場合と 中小零細企業の場合とで分けた 4パターンが以下の図です。 インバウンドセールス 企業側(売る側)が、 見込み客がアクセスできるメディア (ホームページ、SNS、 ランディングページなど) をあらかじめ作っておき、 そこへ訪れた客に営業する手法です。 見込み客が、 自らネット上で検索をかけて 主体的に行動します。 広い意味では、 実店舗を構えて 来店した客に販売するのも インバウンドセールスと言えますが、 ネットの普及により拡まった言葉で、 主に ネット経由でアクセスして来た 客に販売することを意味します。 インバウンドセールスの特徴は、 見込み客の方から来てくれるので、• 商品に興味のある見込み客だけを 相手にできる( スクリーニング)• 成約率が高くなる (アウトバウンドセールスと比べて) です。 例えば、 web経由で集客した見込み客に モデルルームの見学に来てもらって、 そこで営業をかけるのが典型例です。 メディア構築に時間はかかりますが、 営業の難易度は下がります。 そのため、営業職初心者に 向いていると言えるでしょう。 また、web集客量が不十分であれば、 売上を確保するために、 後述のアウトバウンドセールスも 合わせて行う必要があります。 アウトバウンドセールス 企業側が主体となって、 見込み客にアプローチしていく手法です。 例えば、• テレアポ• 飛び込み• ダイレクトメール(DM) などです。 インバウンドセールスと比べると、• 営業先の選定の必要がある (スクリーニング、ターゲット選定)• 見込み客に商品への 必要がある• 営業のやることが多い など、一見、 非常に効率の悪い方法に見えます。 しかし、 web集客できない企業にとっては この手法が主な営業方法です。 また、web集客できる企業でも、 インバウンドセールスと合わせて、 売上の最大化を目指すのが一般的です。 各営業プロセスで工夫の余地が広く、 その分、営業部隊の組織力や 個人の能力で結果に大きく 差がつきやすい方法と言えます。 インバウンドセールスと比べて、 そこそこ高めのスキルが 必要になってくるので、 営業職中級者〜上級者向けの 営業手法と言えるでしょう。 (ただ、実際には、 新卒でアウトバウンドを いきなりやらされるケースは 決して珍しくないです…) インサイドセールス 広い意味では、 営業プロセスを• 内勤営業• 外勤営業 とで分業し、 営業プロセス全体の効率化を図る 営業手法を意味します。 狭い意味では、 内勤営業のことを指すこともあります。 元々国土の広いアメリカでは、 対面営業で顧客をカバーしきれず、 生産性の向上を目的に 拡まった考え方だそうです。 アメリカでは、 インサイドセールスという 1つの専門職とされていて、 外勤営業より内勤営業が 多い傾向にあるようです。 日本では、 まだまだ一般的ではないですが、 導入している企業も存在します。 例えば、株式会社ZUUでは、 インサイドセールスを 取り入れているようです。 実際に弊社組織の中でも、 インサイドセールスチーム の人数が一番多い。 基本的に営業活動全般の舵取りは インサイドセールスチームが担い、 フロントチームは必要最小限の 人数だけになっている。 インサイドセールスチームが機能し、 紹介やインバウンドでの 問い合わせが多くなると、 フロントチームは最小限の 人数になってくる。 こうしたアプローチは、 今後さまざまな企業で 同様に表れてくると思う。 出典:冨田和成『』 内勤営業(インサイドセールス) 見込み客の元へ訪問せずに、 非対面の営業活動を行う営業です。 電話、メール、電話会議システムなどを 使用して、見込み客へアプローチします。 アプローチ方法としては、 インバウンドセールス、 アウトバウンドセールス のどちらもあり得ます。 見込み客とのアポイントを取れたら、 見込み客の情報を外勤営業に伝えて その後の営業プロセスを引き継ぎます。 外勤営業(フィールドセールス、アウトサイドセールス) 内勤営業から引き継いだ見込み客に 対面で営業活動を行う営業です。 その名の通り、 外回りをして具体的な提案や セールスを行います。 内勤営業との連携が きちんと取れていれば、 成約率は高くなります。 そのため、 従来よりは挫折せずに 営業を続けることができると思います。 ただ、内勤営業の段階で 見込み客の『育成』が十分でないと、 厳しいアポになる可能性もあります。 新規開拓か既存顧客フォローかの分類 新規開拓が主なのか? 既存顧客フォローが主なのか? は企業によって異なります。 そのため、 この分類については、 入社前に確認する必要があります。 ルート営業(ルートセールス) 既存顧客に対して 定期的に営業する方法です。 特定の取引先との関係維持 を目的としており、 既存顧客へのフォローが 主な活動となります。 一般的には、 新規営業よりルート営業の方が 楽だと言われます。 ただ、ルート営業にも、例えば、 上司から 「何も用がないのに得意先へ 行って来いと言われた。 何を話せば良いのか分からない」 などの問題を 抱えている人もいるようです。 前任の担当者から 引き継いだ得意先については、 必然的に前任者と比較されてしまい、 前任者の方が良いと 判断されてしまうと、 関係が解消されてしまう などの問題もあります。 私の経験上は、 自分で新規開拓したお客さんの方が、 他の担当者から 引き継いだお客さんより、 仲良くなれる傾向が あるように思えます。 得意先である以上、 個人的に苦手な得意先であっても、 担当を割り振られた以上は 対応しなければいけない事もあり得ます (その点、新規営業は、 契約前にこちらから 離れる事ができる)。 そのため、 苦手な得意先でも 根気強く付き合っていける人 に向いていると思います。 新規営業 苦手意識を持っている方が多いのが、 新規営業です。 確かに、 全く知らない人と 0 ゼロから関係を作って行くのは、 大変骨の折れる作業です。 新規営業をかけようとする度に ちゅうちょしてしまい、 二の足を踏んでしまう気持ちも よく分かります(笑) 新規営業の特徴としては、 客との関係性が全くないか薄いため、 ヒドい断られ方をされる 可能性がある事です。 ただ、最近では、 インバウンドセールスや インサイドセールスが 増えてきているので、 以前よりは営業の負担が 軽くなっているとは思います。 他の営業をごぼう抜きにして 圧倒的に 成長したい人• 色んな人と出会って 人脈を作りたい人• 自分の力を試してみたい人• 初対面の人と話すのが苦でない人 などに向いていると思います。 上記の分類をここで少し整理すると、• モノやサービスがあふれたことにより 商品が売れにくくなり (営業活動の難化)、 それに対応するために、 より効率の良い方法が 生み出されてきたのが 分かるかと思います。 売り込む営業から売り込まない営業への流れがある? さらに言えば、実は、 売り込む営業から売り込まない営業 への流れがあります。 営業活動が難化する前の時代では、 ネットが普及していませんでした。 そのため、 商品への接触機会が少なかった客は、 営業から売り込まれたとしても、 『へぇ〜こんな商品もあるのね』 と売り込みを受け入れやすい 環境下にあったと言えます (それでも苦情は 絶えなかったようですが…)。 しかし、 ネットが普及した現在では、 見込み客は、 ネットで検索すれば いくらでも商品へアクセスできる 環境を手に入れています。 そんな中で、 営業が商品を 売り込んできたとしても、 『いや、売り込まれるくらいなら、 ネットで買うから良いです』 となるのが普通ではないでしょうか? ただ単に 売り込んでくるだけの営業は、 見込み客にとって、 何の価値もないばかりか、 気分を害するという意味で 有害ですらあります。 特に、• 売り込むことに罪悪感を感じている人• 口下手な人• 気の弱い人• おとなしい人• 穏やかな人• 営業にストレスを感じたくない人 などには、 売り込まない営業の方が 向いていると思います。 まとめ• 営業スタイルには、 様々な種類、分類がある。 時代の流れに応じて、 営業スタイルも変化している。 インサイト営業を極めるなら、 ビジネス(マーケティング)を学ぶべし どの営業スタイルが自分に合っているか、 時間をかけて一度検討してみて下さい。 自分に合わないスタイルで営業しても、 良いことは何もないですからね。 今回は以上です。

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焦点:野村証、「最強」営業部隊に非対面の試練 コロナで環境変化

営業スタイルの変化

営業方法 昭和時代は飛び込み営業 昭和の時代、携帯電話はまだ普及しておらず、もちろんメールもインターネットもありませんでした。 そのため、事前情報を収集することは難しく、地図を片手にアポなしで訪問する飛び込み営業がメインでした。 営業は足を運んで、顔を売ってなんぼという考えがあり、既に取引のあるクライアントでも定期的に訪問をしていました。 足で稼ぐ営業が一般的な時代でした。 平成時代は反響営業 平成の現代では、広告手段も増え、顧客も電話をせずにWebから問い合わせてくることが増えました。 それに合わせて反響営業を主力とする企業も増えています。 相対的に飛び込み営業がメインの企業は減少傾向です。 問い合わせ後の連絡や訪問のアポ取りもメールが好まれるようになり、電話営業をする機会も減ってきています。 同様にクライアントにアポなしで顔を出す機会も減っていて、クライアントとの結びつきは昭和時代の営業スタイルに比べると関係性は少し薄くなる傾向にあるようです。 マインド 昭和時代はモーレツ社員が営業の鏡 高度成長期と言われた昭和の時代、『巨人の星』に代表されるように苦しい特訓に耐え、血のにじむような努力を重ねた人間がスポーツで大きな結果を残していくというスポ根と呼ばれるジャンルが人気を博しました。 この根性が重視されがちで、そのような風潮はスポーツだけでなく社会全体においても同じでした。 営業もでもノルマ達成は絶対であり、壁に売り上げ成績が貼り出され、会社に忠誠心を払い、何を差し置いても会社を優先とするのが当たり前のように考えられていました。 企業戦士、モーレツ社員などの言葉がそれを象徴しています。 ノルマという言葉も減った平成時代 営業に数値目標が課せられるのは現代も同じです。 しかし、平成に入ると主に求職者からノルマという言葉自体が好まれなくなり、営業職の求人広告にもノルマ無しなどと書かれることも多くなりました。 働き方 会社と運命を共にした昭和 深夜残業も当たり前、休日出勤も厭わず働くのは、デキるビジネスマンの勲章だと考えられていた時代でした。 好景気に沸く日本の成長を支えているという誇り、会社の成長を支えているのは自分だという自負がそれぞれの営業マンを突き動かし、社会全体が働き続けることを推奨していました。 また、夜の会食や休日のゴルフなどの接待も多く、就業時間を超えてクライアントとの付き合いもありました。 同じ時間を長く過ごすことで、社内の同僚だけでなくクライアントとも取引相手以上の深い絆を築き上げていました。 仕事とプライベートを切り替える平成 平成に入り、昭和の時代のように家族との時間やプライベートな時間を会社に捧げるような風潮は薄れてきました。 長時間労働による過労死や上司のパワハラなどが社会問題となり、ブラック企業という言葉も登場しました。 仕事は仕事、休日は休日とオンとオフを切り替える傾向がはっきりし、オフである休日に会社のイベントが計画されることも減ってきています。 接待費を経費として計上しない会社が増えたこともあり、クライアントの接待も昭和の時代に比べると少なくなっています。 ハイブリッド型がデキる営業マン 情熱をもって仕事に励み、飛び込み営業に汗を流した昭和の営業マン、情報を上手に操作し効率よく営業を行う平成の営業マン、どちらの方が優れていてどちらの方が劣っているということはありません。 経営層や管理職には、昭和時代を知る世代の人が多く、現場で働く社員には平成世代が多くなります。 何度も訪問し、情熱をぶつける昭和の時代の営業方法が功を奏する場合もあります。 反対に、直接訪問や電話ではなく、メールで端的に話しを進めた方がよい場合もあります。 相手によって営業方法を変えられる、ハイブリット型の営業マンがデキる営業マンと言えるでしょう。 まとめ 平成の時代となって30年となる現在、時代の流れとともに営業スタイルにも変化がありました。 しかし、現代においての飛び込み営業も、全く効果がないものかと言えば、そうではありません。 会社によっては、飛び込み営業を推奨しているところもあります。 情報を操作してスマートに営業する平成スタイルと、足で稼ぐ昭和スタイル。 それぞれの良い点を取り入れ、自分に営業のやり方を探してみてください。

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オンライン営業?リモートセールス?次の時代の新しい営業スタイル

営業スタイルの変化

営業スタイルの変化の背景 見込み客の購買行動を促進するための営業スタイルは、顧客とその顧客を取り囲む環境の変化に応じて常に進化してきました。 アウトバウンド型からインバウンド型への移行によって、営業効果の向上を実現した企業も少なくありません。 では、営業スタイルの変遷には、どのような背景があるのでしょうか。 アウトバウンド型からインバウンド型へ 営業担当者が直接、あるいは電話でお客様に対し、自社商品・サービスを売り込むアウトバウンド型の営業は、従来の営業担当者の営業スタイルでした。 テレマーケティングや、飛び込み営業がこれに該当します。 お客様から見れば、必要としていないタイミングで必要としていない商品・サービスを「売りつけられている」印象を受けてしまうため、飛び込み営業は商談化する確率が低いというデメリットがありました。 アウトバウンド型営業と対照的な営業スタイルとして、インバウンド型営業が挙げられます。 インバウンド型営業は、お客様が必要としている時に、必要としている商品・サービスを提供するというスタイルです。 今ではインバウンド・マーケティングとして、お客様にとって有益なコンテンツをインターネットやメールで配信したり、セミナーを開催したりして見込み客を獲得した上で、お客様が必要とした時に詳細な情報を提供しながら営業を進めていくという方法が主流になりつつあります。 によると、アウトバウンド型営業(訪問営業)で80社回った場合、引き合い社数はわずか2社でした。 インバウンド型営業(Webマーケティング)を行った場合は30社からお問い合わせがあり、そのうち5社が引き合いになった事例が挙げられています。 同じ商品・サービスを販売しているのに、顧客獲得単価はインバウンド型の方が効果が見込める結果となっており、インバウンド型営業スタイルを採択する企業が増えたのも納得できるでしょう。 インバウンド型の多岐化で誕生したソリューション営業 インバウンド型の営業スタイルを展開するにあたり、マーケターの人材確保が困難な中小企業では営業担当者がSNS上に顧客にとって有益となる情報をアップし、インバウンド型営業の土台作りをしていることも珍しくありません。 のによると、ソーシャルメディアの中でも調査対象の企業の8割が「Facebook」を公式アカウントとして活用しています。 公式アカウントでは、Facebook広告、キャンペーン情報の告知と拡散が可能であり、興味を持った見込み客を取り込むのに役立ちます。 このようなソーシャルメディアやWebサイトなどに多岐化したインバウンド型営業は、営業担当者が自らお客様の元に出向くのではなく、興味・関心を持った顧客側からの問い合わせてもらい、潜在顧客から見込み客へと発展させます。 このインバウンド型営業の中の1つの手法として台頭してきたのが、ソリューション営業です。 ソリューション営業とは、お客様(企業)の抱える問題を解決したり、目標を達成するための方法を提案したりすることで、自社製品・サービスをソリューションとして提供するという営業スタイルです。 一方的に売り込むのではなく、お客様の課題感に合わせて営業提案を行うため、アウトバウンド型のような「売りつけられた感」が少なく、NECをはじめとして企業も少なくありませんでした。 ソリューション営業の衰退とインサイト営業の台頭 アウトバウンド型の営業からインバウンド型のソリューション営業へと移行していく企業が増加したことで、当初は新鮮だったソリューション営業が、標準的な営業スタイルになりつつあります。 ブレント・アダムソン氏らは、『』の中で、ソリューション営業の限界について以下のように言及しています。 「今日の顧客は未だかつてなく豊富な情報を持っている。 たいていの場合、顧客がサプライヤーに問い合わせる時点ですでに、解決すべき問題、利用できるソリューション、支払ってもよいと考える金額を顧客自身がはっきりと認識している。 」 営業担当者がソリューションを提供しようと思って訪問した段階で、お客様は既に解決すべき課題もその方法も知っているほど、お客様は知識豊富で、企業内部は問題解決に対して機能しています。 このような情報過多な時代において、お客様が既に知識豊富な場合でも業績を維持、あるいは上昇させる営業スタイルとして台頭してきたのがインサイト営業です。 インサイト営業とは 「インサイト」とは、「」を指します。 インサイト営業は、お客様がまだ自覚していない「欲しいモノ」「解決方法」を見つけ、それを気づかせるという営業スタイルです。 前述したように、お客様が既に自社が抱える問題に気が付き、解決策にも気が付いているとしても、「まだ深掘りできる」場所があるでしょう。 まだ企業が自覚していない発掘場所にインサイトが隠れていると言えます。 心理学者のフロイトが提唱した精神分析学では、人間の心を3つの領域でとらえています。 1つ目は、欲望の主体である「自我(イド)」。 2つ目は、必要となった時にも思い出せない記憶内容である「無意識」。 3つ目が、日常的には思い出すこともないけれど必要となった時に思い出せる記憶内容を保持している「前意識」です。 自我は心の中の氷山の一角にすぎず、ほとんどが無意識であるとフロイトは言及しました。 インサイト営業は、上記の自我と無意識の間にある「前意識」に着目することでお客様のまだ自社で発掘できていない課題、問題点、解決方法を掘り出します。 前意識は、潜在的に人(企業)の中にあるにも関わらず、まだ意識上に上っていないため、自分(自社)では気が付かないものなのです。 そこに営業担当者が切り込み、「言われてみれば、そんなのが欲しかったんだ!」と気が付かせ、購買行動へ結びつけるのがインサイト営業だと言えます。 また、インサイトを見つけるためには、お客様に対して「より効果的な別の価値観」があることを気づかせるという方法もあるでしょう。 特に長年にわたって、同一の他社商品・サービスを購入し続けているお客様は、支持し続ける理由が特になくても「長年使っているから」と継続利用していることがあります。 しかし、刻一刻と新しい商品やサービスが誕生しており、そちらに目を向けることで更なる効果や利便性が見込めることもあるでしょう。 インサイト営業では、このようにお客様の従来の価値観をいい意味で一度見直させ、新しい他の価値観を提示することができる営業スタイルなのです。 ソリューション営業は、お客様に徹底的なヒアリングを実施し、お客様が抱えている課題や達成できていない目標を洗い出します。 しかし、ヒアリングして出てくる課題や目標は、既に自社で自覚できていて、意識できているものです。 インサイト営業の場合、「ほしい商品・サービスに対するニーズ」は気づいていない、あるいは顕在化していません。 お客様自身では「喉元まで出かかっているのに具現化できない答え」がインサイトであり、それを引き出すのがインサイト営業です。 なぜインサイト営業が重要なのか アウトバウンド型からインバウンド型へ、その中でもソリューション営業を実施する企業が多かったにもかかわらず、インサイト営業に着目する企業が増えたのはなぜでしょうか。 今や十分すぎるほどのモノやサービスが溢れかえり、多くの営業担当者が従来通りのソリューション営業に限界を感じているからです。 ソリューション営業からインサイト営業に切り替える企業の視点から、インサイト営業が支持されつつあるその理由についてご紹介します。 インサイト営業のメリット ソリューション営業からインサイト営業に切り替える人が多いのは、それだけのメリットがあるからです。 企業側からすれば、インサイト営業を実施する2つの大きなメリットがあります。 価格競争に巻き込まれずに済む ソリューション営業では、企業の顕在化しているニーズをヒアリングし、解決するための手段や方策について提案します。 ところが、顕在化している、つまり多くの人の意識上に上がっているニーズは、競合他社も容易に把握でき、どの企業も同じような解決策を提示します。 お客様は同じ価値のある解決策を提供してくれるなら、より安価な方を選ぶため、結局は価格競争に陥ることになるでしょう。 しかし、インサイト営業ではまだ顕在化されていない解決策を営業担当者が発掘します。 お客様にとっては、競合他社にはなく、かつ自社が潜在的に必要としていたものを提示されるため、競合他社よりも価値を感じやすく、価格競争に持ち込ませずに済むというメリットがあるのです。 新しい市場を開拓できる それだけではありません。 インサイト営業によって顕在化したソリューションを商品化してしまえば、一気に新しい市場を開拓できる可能性があります。 ソリューション営業では既に顕在化されたニーズがあるわけですから、インターネットがあれば解決策は山ほど出てくるのです。 一方インサイト営業は、お客様の潜在的な部分に解決策があるため、インターネットでいくら検索してもインサイト営業で得られる本質的な「ほしいモノ・サービス」には気づけないでしょう。 アウトバウンド型営業が結果重視、ソリューション営業がプロセス重視だとすれば、インサイト営業は顧客理解重視の営業スタイルです。 お客様の現状を十分に理解した上で、問題を打破するための、あるいは本当にお客様に必要な商品・サービスを提案するには、営業担当者のアイディアも重要になります。 営業担当者がお客様のインサイトを発掘する力、インサイトを活用する力を身につけることができれば、商談化件数の上昇につながるでしょう。 インサイト営業のデメリット ここまで読むと、価格競争に疲弊した営業担当者およびマネージャーにとってはインサイト営業の大功が際立ちますが、デメリットもあります。 目立つデメリットはただ1つ。 営業担当者の力量が大いに問われるという点のみです。 インサイト営業は、文字通り「insight(物事の実態を見抜く力、洞察力)」の高い営業担当者でなければ成立しません。 インサイトを発掘する方法はいくつかあります。 たとえば、お客様にインタビューを繰り返して問題を深堀していく方法です。 他にも、心理療法の1種である「」を用いて、潜在的に欲しているものを文章の空欄に投影させる方法も挙げられます。 このようなインサイトを発掘する方法は、誰もができるわけではありません。 同じようにインタビューをしても、深堀できる質問ができるかどうかは、まさしく営業担当者の力量によります。 文章構成法にしても、空欄を埋めた語句から、顧客のインサイトを予測できるかどうかは、営業担当者の洞察力によるでしょう。 では、どうしたらインサイトを発掘する力量のある営業担当者を育成できるのでしょうか。 現在、SFAやCRMを導入し、営業担当者間にあるスキルの差を埋めて、全体的な営業スキルの底上げを図っている企業が増えています。 確かに、SFA・CRMで優秀な営業担当者の商談フェーズやプロセスを「見える化」して共有すれば、基本的な営業スキルは標準化させることができます。 しかし、洞察力や物事の本質を見抜く力は、優秀な営業担当者のプロセスを後追いするだけで完璧に身につけることは難しいかもしれません。 ブレント・アダムソン氏らは、『ソリューション営業からインサイト営業へ』の中で、「営業担当者の活動ではなく、顧客の判定材料(顧客の言動の評価)だけを追跡・報告するようにした」ことによって、マネージャーは最適な方法で結果を出させることを可能にすると報告しています。 このことから、優秀な営業担当者から多くを学んだ上で、より深いインサイトを見抜けるような営業担当者になるために、お客様の判定材料(お客様の行動、興味・関心、文脈など)をしっかりと理解できるよう努めることが重要です。 AI営業に負けない新たな営業スタイルとは 顧客のニーズの大部分は企業によって吸い出された結果、既にカタチになって商品化・サービス化しています。 そのため、既に満たされているようでありながら、まだお客様自身も自覚できていない部分に触れることが、これからの時代に必要な営業スタイルです。 なぜなら、お客様が自覚できることは、AI(人工知能)も予測できるからです。 営業支援システムにもAIが標準搭載されてはじめているこの時代では、AIを上回る営業スタイルを確立する必要があります。 営業職は売上高の面でという研究がありますが、この研究におけるAI営業はこの時点ではまだカタチとしてあったわけではなく、仮想的なものです。 AI営業が現実のものとなった時、営業担当者がいかにAIよりも価値のある提案ができるかが重要となるでしょう。 お客様のインサイトは、お客様の属性や状況などの文脈によって異なってきます。 文脈を正確に読み取って、お客様に合った適切なインサイトを提示してあげることが、これからの営業活動で大切になってきます。 まとめ WebサイトやSNSを駆使したインバウンド・マーケティングが盛んな今の時代では、アウトバウンド型の営業はもはや時代錯誤となってしまいました。 インバウンド型へ切り替える企業の中でも、既にニーズが顕在化しているがゆえに価格競争に陥りがちなソリューション営業から、インサイト営業へと切り替える企業も今後増えてゆくでしょう。 もっと新しい方法で売りたい、もっと効果的方法で売りたい…という営業担当者およびマネージャーにとって、インサイト営業という営業スタイル自体が、ソリューション営業の中で見つかった「インサイト」であると考えられます。 お客様のインサイトを発掘するために、お客様が欲しかったモノ・サービスを掘り下げましょう。 お客様の隠れた「欲しい」のスイッチを押すことができれば、他社と競合することなく、自社の価値を提示しながら商談フェーズを進めることができるでしょう。 「」では営業スタイルの変化や興味深いデータを紹介しております。 是非ご覧ください。

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