新聞記者 ラスト セリフ。 映画『新聞記者』公式サイトBlu

映画『新聞記者』あらすじネタバレと感想。結末で見せた松坂桃李の表情に自己存在を見せられた

新聞記者 ラスト セリフ

芝居のスパークを感じた瞬間 Q:日本では珍しいタイプの社会派エンターテインメントですが、出演の決め手となったのは? 松坂桃李(以下、松坂):僕はウンギョンさんと共演できることが大きなポイントでした。 今回のお話をいただく前から、『サニー 永遠の仲間たち』や『』などウンギョンさんの作品を観ていて、ひとつの表情からいろんな感情が伝わってくるのがすごく印象的でした。 こういう女優さんもいるんだなってずっと思っていたので、まさか共演できるとは。 すごくうれしかったです。 そして藤井監督と仕事ができること、メッセージ性を感じる物語が面白いと思ったことの3つです。 シム・ウンギョン(以下、シム):私も松坂さんと同じ理由です。 真面目な俳優さんというウワサを聞いていましたし、私の大好きなドラマ「ゆとりですがなにか」でもそうですが、芝居そのものから真面目さが感じられるのも素晴らしい。 撮影現場でどう芝居するかをひとりでずっと考える松坂さんの姿を見て、私ももっと頑張らなきゃと思いました。 私はちょっとノンビリしちゃうタイプなので(苦笑)。 松坂:いやいやいや(笑)。 ウンギョンさんの表情や表現から本物の感情が伝わってきて、たくさん刺激をもらいました。 監督の言葉や撮影現場にあるたくさんのヒントを吸収しながら、毎回、滑らかに変わっていく。 すごいですよ。 しかも今では、撮影当時よりもさらに日本語がうまくなっている! 撮影が終わってからまだ半年くらいしかたってないんですよ。 そんなストイックさも含めて、本当に僕は尊敬します。 シム:ありがとうございます(照)。 撮影現場ではたくさん松坂さんに助けていただきました。 特に印象的だったのは、(高橋和也が演じる杉原の元上司の)神崎さんの家で、羊の絵が描かれたFAXについて会話するシーンです。 2人の信念や考え方がよく見えるシーンで、芝居のスパークをすごく感じる瞬間がありました。 俳優として、すごく楽しかったです。 松坂:ありがとうございます(照)。 あそこはとにかくヒリヒリした緊張感のあるシーンで、ある種ちょっとしたぶつかり合いみたいなところもあったはずです。 杉原として作品のなかに生きていくうえで、とても重要なシーンだったと思いますね。 [PR] 『新聞記者』は人間ドラマ Q:役柄の職種について、独自にリサーチなどはされましたか? 松坂:杉原の所属する内閣情報調査室の仕事は非常にベールに包まれていて、詳細はあまり明らかにはなっていないんです。 台本に書かれている杉原の言葉や行動を頼りに、監督と相談しつつ、一つ一つの感情を大事にしながら演じていきました。 シム:私は実際に新聞社へ行って、記者の方々と話すことができました。 新聞がどうやってできるのか、皆さんの努力や大変さを知り、吉岡の役づくりの参考にしました。 Q:お芝居に関しての挑戦はありましたか? 松坂:これだけ葛藤し自問自答のすえに決断し、あのようなラストシーンを迎えるというのは今までやったことのない芝居の流れでした。 ひとりの人間としての立場や感情を踏まえたうえでの、杉原の最後の表情。 僕としては初めてでしたし、ウンギョンさんとの間でどういう化学反応が生まれるかも、興味深かったです。 シム:私にとっては、この作品のすべてがチャレンジでした。 まず日本語のセリフ、それも普段の生活では日本の方も使わない言葉も多かったので。 発音やイントネーションを一生懸命に頑張って練習しました。 そして私は『新聞記者』を人間ドラマだと思っているので、人間味をちゃんと見せることに集中しました。 Q:完成作をご覧になって、何を感じられましたか? 松坂:ひとりでも多くの方に観ていただきたいという気持ちが、より一層強くなりました。 そして真実にしろ偽物にしろ、いろんな情報が誰でも手に入る時代だからこそ、自分の目を養わないといけないと。 情報に流されずに、きちんと自分の考えを持つことが大事だと改めて実感しました。 シム:松坂さんがおっしゃったとおりで、この映画の持つメッセージを観客の皆さんにも感じてほしいです。 そしてサスペンス映画としても楽しんでほしいです。 この世の中をどう生きるのかを考えるきっかけになればうれしいです。 [PR] いかに作品の一部になれるか Q:海外作品の撮影現場では、語学力以外では何が大切だと思われましたか? シム:いちばん大事なのは、海外でも韓国のでも、芝居を考える真心ではないでしょうか。 キャラクターの何を見せたいのかを考え、キャラクターと私がひとつにならないといけないと思っています。 Q:俳優としての松坂さんの理想や信念も教えていただけますか? 松坂:いかに自分がその作品の一部になれるか、ですね。 カメラマンさんや監督、照明部や録音部などいろんな部署があるなかで、自分も俳優部のひとつの歯車として、きちんと作品の役に立てることがいちばん大事です。 Q:ウンギョンさんとの共演が実現して、海外作品出演への意欲が湧いてきましたか? 松坂:異なる国や環境で育った役者同士が同じ空間でお芝居をするのは、すごく刺激的だと今回初めて知ったので、またそういう機会に恵まれるとうれしいですね。 できればもう1回、シム・ウンギョンさんと今度はコメディー作品で共演したいです。 シム:私も同じ気持ちです。 最近シリアスな作品が続いていたので、『』や『怪しい彼女』のような面白いコメディーを、松坂さんと一緒にやれたらいいなと思います。 そんな2人それぞれの言葉から、そして互いの言葉に耳を傾ける姿から、リスペクト感が自然にあふれる取材となった。 再タッグを熱望する2人によるコメディー作品が、早く実現しますように……いち映画ファンとして、夢の再競演を願って止まない。 【シム・ウンギョン】ヘアメイク:遠山美和子(THYMON Inc. )、スタイリスト:Babymix 【松坂桃李】ヘアメイク:AZUMA(M-rep by MONDO-artist) 、スタイリスト:TAKAFUMI KAWASAKI (MILD) 映画『新聞記者』は6月28日公開より全国公開.

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映画『新聞記者』あらすじと原案は?感想・評価とラストについての考察

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この作品が3冠受賞するなど誰が考えたでしょうか。 ハッキリって痛快です。 この作品は、実際に起こった 『森友・加計学園問題』『伊藤詩織さんのレイプ問題』など問題に非常に近しいエピソードが展開されることから、 「これは本当なのか?嘘なのか?」 「ジャーナリズムとは何か?」 「私たちは何を信じればいいのか?」 といった様々な想像を掻き立てる作品になっています 他の日本アカデミー賞ノミネート作品の良し悪しはここで触れませんが、 現在の安倍政権を批判する意味、 本質的な作品と判断された意味、 日本アカデミー賞の権威を示す(あるいは逆)の意味、 多くの意味と思惑と考えが交錯した最優秀作品だと感じます。 若手女性新聞記者と若手エリート官僚の対峙と葛藤を描く社会派サスペンスという触れ込みですが、「権力とメディア」「組織と個人」のせめぎ合いを楽しみながら、 私達はどのように情報と向き合うべきかを考える意味で、非常に良作だと感じます。 正直、作風は好き嫌いがあると思います。 同じ年にアジア勢初の米国アカデミー賞を受賞した『』はブラックユーモアを交えたよくできた作品でしたが、日本のメディアや権力問題に、真正面から向き合うように作ったイメージのため、重厚感があります。 視聴するにはAmazonプライムがオススメです。 そして、ハッと息を吸い込む吉岡(シム・ウンギョン) その後のストーリーはご想像にお任せしますというパターン。 折れてしまったんですね。 権力に。 私は共感しました。 自分自身もサラリーマンで小さな子供がいて、家庭があります。 ここまで深く考えて決断していないかもしれません。 一度は神崎に報いるために自分の実名を出していいとまで言ったものの、この物語の中の真相はまたしても闇の中という結末でしょうか。 ごめんの意味 杉原の恩師、自殺した神崎は「俺のようになるなよ」と言い残して自殺しました。 権力に屈して言いなりになった結果、とんでもないことを引き起こしてしまった、後戻りできないことをしてしまった神崎。 「俺(神崎)と同じような道」に進んでしまうことに、 ごめんと謝ったのです。 吉岡と、神崎に。 しかし、恩師である神崎の死を無駄には出来ない。 この映画のラストシーンの先に、家族に悲しい思いをさせないように、権力に逆らわないように選んだ道の先に、神崎と同じ末路が待っていないことを思うばかりです。 新聞記者のネタバレ・あらすじ 「国を守るため」という大義のもとにある内閣情報調査室。 現政権に不都合なニュースをコントロールする官僚が 杉原拓海(松坂桃李)。 ある日、東都新聞に機密文書がFAXで送付されてきます。 頭紙にはサングラスをした羊の絵。 通常大学の新設に関しては文部科学省が管轄なのですが、内閣府の仕切りであることに違和感を感じた吉岡は調査を開始。 すると内閣府の神崎という男が浮上してくるものの、自殺をしてしまいます。 一方で外務省出身の杉原は、当時上司であった神崎とバッタリ会い久々に飲みにいきます。 「俺みたいになるなよ」という何気ない一言を残して、その後自殺します。 神崎は死ぬような人間ではないと知っている杉原は独自に調査を進めます。 その中で吉岡に出会います。 立場の違いを超えて調査を進める2人の前に、 『新設される大学では生物兵器が研究される』という衝撃の事実 がわかります。 神崎は、その責任者になったことを知って追放されたのです。 父親のジャーナリズムを継いでいる吉岡は公開のための記事を制作。 杉原もバックアップします。 新聞社に圧力がかかり公開が危ぶまれますが、 杉原が「自分の実名を出していいから報道してくれ」と懇願。 最初の記事が出ます。 次に実名公開の記事を公開するはずが・・・ 杉原の上長から出世の道と家族の安全を提示され、家族の安全のため、自分の保身のため、吉岡にごめんと伝えて、この作品は終わりです。 新聞記者を観て、 ・事実の伝達とは? ・解説は評論は誰に向けた何のメッセージか? 受け取る私たちが考えなければなりません。 また、メディア側も考える余地が十分にあると思います。 作品としてはあと一歩な気もしていますが、よくまとまった作品と感じます。 アメリカをはじめ海外では実話をもとにした製作映画は数多くあり、 『』と『』などはエンターテイメント要素も取り入れ映画として成立させています。 この物語で彷彿させるのは『モリカケ問題』『伊藤詩織レイプ問題』ですが、ここの真偽を議論しようというよりは、 世の中の報道には真実に様々な主観と偽造、思惑などがブレンドされて発信されているということを今一度認識するべきという作品でした。 「メディアが言っているから」 「みんなが言っているから」 そんな大衆心理が重圧となって主人公に襲い掛かっています。 この見えない大衆の一つ一つが人であることが怖いです。 しかしながら、極めて事実に近い問題がピックアップされており、ここが物議を醸しているところ。 簡潔におさらいします。 『森友・加計学園問題』 モリカケ問題と言うことで話題になりました。 時期が近いので一緒になっていますが、一応別々の問題です。 森友学園=本来9億円ほどの不動産を1億円で森友学園は調達。 安倍首相の忖度では? 加計学園=52年間認められていなかった大学の獣医学部新設の事業者に認定。 加計理事長が安倍首相の友人であったため忖度では? 超要約するとこんな問題です。 新聞記者では加計学園問題に寄せていて、本来文部科学省管轄の大学新設が内閣府主導で進められている。 調べてみると生物兵器を研究する施設だった。 そこに国民の税金が投下されている。 というストーリーになっています。 また 自殺した神崎ですが、森友学園への国有地売却で公文書改ざんに加担させられた財務省近畿財務局の赤木俊夫さんと重なるのは私だけではないでしょう。 非常に現実と強くリンクしたメッセージが盛り込まれています。 『伊藤詩織さんのレイプ問題』 ジャーナリストの伊藤詩織さんが、『総理』『暗闘』など安倍首相の著作を上梓している山口敬之に強姦されたとして損害賠償を求めた問題。 セクハラ被害者を支援する「 MeToo(私も)」運動があったことは記憶に残っています。 新聞記者では、女性の弱い立場について吉岡が言及するとともに、訴えた後に起こるセカンドレイプ問題にも触れています。 性被害にあった女性は、被害の証明が非常に難しいとされています。 2017年の政府の調査によると、日本の強姦被害者のうち警察に届け出たのはわずか4%。 暴力や脅迫があった、抵抗的出来なかった状態であることを証明しなければならず、事後ではそれが非常に難しいことが理由です。 わかりやすく言うと「昨日電車に乗ってた時に痴漢をされたが、やっぱり嫌だったから訴えたい」と思っても、かなりの言いがかりになってしまいできないのと同じで、痴漢の場合は現行犯ですが、薬で眠らされたなどの場合、寝ているので証明できません。 レイプが事実かどうかはもはや本人たちしかわかりません。 ただ、真偽はどちらだとしても、声を上げることで起こるセカンドレイプ問題は真意だと感じました。 羊の絵の意味 羊の絵は、神崎が自分の子供のために書いてあげた絵の一枚。 元々は羊がほほ笑んでいる絵でした。 しかし、その羊の目を盲目にして告発した。 神崎は、何が正義で何が悪なのか見えなくなってしまった。 そんな悲しい絵のように、私は感じました。 巻き起こった賛否両論 そもそも主演の松坂桃李は制作会社の役員が、所属事務所の社長だったから起用、主演女優は日本人女優が作風を理由に軒並み断られ、しがらみのない韓国人女優・シム・ウンギョンが起用されたという話です。 (しかし、これが日本アカデミー賞最優秀主演男優&女優賞を獲得!) 右だ、左だ。 興行収入は歴代日本アカデミー賞最優秀作品とは比較にならないから、安倍政権への批判の意味で受賞した。 ジャーナリストの気取りの戯言。 ただ面白くない。 真実のドキュメンタリっぽい作風が気に入らない・・・などなど、検索すると多くのコメント。 これって、 管理人の考えるいい映画の定義に当てはまっています。 毒にも薬にもならない映画が一番つまらないと思っているのですが、観る人によって毒か薬にはなっている印象を受けました。 特に批判する人の口調や声は強めに感じます。 そもそも日本では、政治を知ろう、関与しようという風潮がそもそも低め。 この作品をきっかけに、政治や政権に興味を持つ人が、よく自分で考えて情報を受け取る人が一人でも多くなってほしいと思います。 なお、原作があります。 深く知りたいという方はこちらもどうぞ。 しかし、 個人的な本作のMVPは本田翼と田中哲司。 本田翼がですね・・・抜群に可愛く、政治や旦那の仕事に全く介入しない。 ここがイイです。 純粋に温かな家庭を望んでいる。 産まれてきた命を愛しく思い、旦那への愛情も忘れない。 本田翼の存在が、ラストシーンの「ごめん」の説得力をグッと高めています。 田中哲司はさすがですね。 作品全体の照明の感じも手伝っていますが、 魔物のような存在が後ろに感じられる、威圧的な話し方が『逆らえない、逆らった時の絶望感』を際立たせています。 この2人なくしてラストシーンの説得力はないでしょう。 まとめ 『いま、あなたに問う』という予告編の通り、 この作品は私に、そしてあなたに問われています。 真実はどこにあると思いますか? 政府は正しいと思いますか? 逆にジャーナリズムは正しいと思いますか? そして、、 この作品をどう受け止めますか? ニュースは『どこを切り取るのか?』によって全く見え方、伝わり方が違うのが面白いところです。 残念ながら歴代日本アカデミー賞の中でも興行収入は低く、受賞報道の扱いも小さく、政治色の強い本作は地上波の放送も見込めないため、大きく拡散される機会はないでしょう。 映画ブロガーとして、『このような作品がある』と言うことを知ってほしい。 だから本作はS級映画とします。 新聞記者はU-NEXTなら無料でfull視聴できます。 31日間無料キャンペーン利用し、付与される600ポイントを消費して観れば0円です。

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映画「新聞記者」は駄作な上にアベガー映画でパヨクの僕でもうんざりした理由

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CONTENTS• 映画『新聞記者』の作品情報 C 2019「新聞記者」フィルムパートナーズ 【公開】 2019年公開(日本映画) 【原案】 望月衣塑子『新聞記者』 角川新書 【監督】 藤井道人 【キャスト】 シム・ウンギョン、松坂桃李、本田翼、岡山天音、郭智博、長田成哉、宮野陽名、高橋努、西田尚美、高橋和也、北村有起哉、田中哲司、望月衣塑子、前川喜平、マーティン・ファクラー 【作品概要】 東京新聞記者・望月衣塑子の同名ベストセラーを原案に、河村光庸が企画/製作/エグゼクティブプロデューサーを担当。 『青の帰り道』、『デイアンドナイト』などで知られる藤井道人がメガホンを取り、権力の圧力に抗う新聞記者とエリート官僚の葛藤をサスペンスフルに描いた政治ドラマ。 オリジナルストーリーだが、現実を彷彿させる鋭い切口が見もの。 映画『新聞記者』のあらすじとネタバレ C 2019「新聞記者」フィルムパートナーズ ある日、東都新聞あてに、大学新設計画に関する極秘情報が匿名FAXで送られてきました。 内閣府が主導し、民間が運営するという点が通常とは異なっており目を引きました。 吉岡エリカは、編集長から誰が送ってきたのか調査するよう命じられます。 彼女は、日本人の父と韓国人の母のもとアメリカで育ちましたが、日本の新聞社で働くことを選びました。 彼女の父は、優秀な記者でしたが、誤ったスクープをしてしまい、自殺していました。 しかし彼女は父の死の原因は別にあったのではないかと考えていました。 父はもっと強い人だったからです。 ですが、父の死の原因を明かす証拠は今となってはもう何も残っていませんでした。 帰宅後も、彼女は懸命に仕事に取り組みます。 一方、外務省から、内閣情報調査室に移動した官僚・杉原は自身の仕事に疑問をもち始めていました。 外務省では上司の神崎から「誠心誠意、国民に尽くす」という信念を教わり、励んできましたが、ここで与えられる任務は現政権に不都合なニュースのコントロールばかり。 上司の多田はこれが日本のためなのだと述べますが、とてもそうは思えないのです。 首相にべったりの御用作家が起こしたレイプ事件では、被害者の女性が顔出しをし、記者会見を行っていました。 逮捕寸前まで行きながら、加害者は寸前で逮捕をのがれ、担当刑事も事件をはずされるなど、裏で大きな力が動いたとしか思えない事件でした。 被害女性の記者会見に出席した吉岡は、彼女の勇気に奮起して記事を書きますが、紙面に小さく掲載されただけでした。 一方、内閣情報調査室は、被害者女性が、野党議員とつながりがあり、ハニートラップであったという筋書きを作り、多田は、関係者のチャートを作れと杉原に命じます。 嘘をでっちあげることに戸惑いながらも、チャートを作ると、それは内閣情報調査室の手でSNSに投稿され、またたく間に、拡散されていきました。 しかし、どこからかそのチャートが週刊誌に流れ、スクープ記事が出ます。 多田は杉原を叱責しますが、彼は多田に言われた人物にチャートを渡しただけで、いわれのないことでした。 愛する妻の出産が迫ったある日、杉原は、久々に神崎と酒を交わす機会を得ました。 志を持って仕事をしていたときのことが懐かしく思い出されました。 神埼は5年前、ある事件で一人責任を取らされ、外務省を辞職していました。 そのことに話が及ぶと、神崎は、「実はな、責任を取ったらこれからも面倒を見てやると言われたんだ」と言い、「俺のようにはなるなよ」と自嘲気味につぶやきました。 酔いつぶれた神崎を家まで送って行った杉原に、神崎の妻はなにか言いたげでしたが、言葉を押し殺し、感謝だけを告げました。 しばらくして、神崎が飛び降り自殺したという報が届き、杉原は愕然とします。 そのころ、吉岡は、取材を重ね、大学新設計画に関する極秘情報を送ってきたのは神埼だったのではないかという結論に達していました。 大学新設計画は一旦流れましたが、再度計画が立ち上がった可能性があることもわかってきました。 同僚の記者、倉持は、今度も場所は特区である可能性が強いとにらみ、吉岡に特区の一覧表を作って手渡してくれました。 葬儀に訪れた彼女は、高校生くらいの神埼の娘にマスコミが執拗にマイクを向けているのを見て、「今、その質問が必要ですか!?」と思わず声をかけます。 父親が亡くなったとき、自分自身も同じ目にあったことを彼女は思い出していました。 その様子を見ていた杉原は、吉岡に「君もあちら側の人間だろ?」と尋ねました。 吉岡が「神埼さんが亡くなった本当の理由が知りたいのです。 家族を残してまで背負えないものがあったのでしょうか」と言うと、「君には関係のないことだ」と杉原は応えました。 葬儀が一段落したとき、杉原は妻から何度も連絡があったことに気が付き、あわてて病院に駆けつけました。 妻が家で破水し、危ない状態で病院に運ばれましたが、帝王切開を行い、母子ともに命に別状はないということでした。 杉原は眠っている妻を見てほっとすると同時に、悔恨の念にとらわれました。 そんな矢先、杉原は、内閣情報調査室が極秘に神埼をマークしていたことを知り、疑念を抱きます。 一方、吉岡は、編集長から大学新設問題を報道することに政府から圧力がかかっていると聞かされます。 吉岡は血相を変え、「だからやめろと言うんですか?」と声を荒げました。 吉岡は杉原に接触し、神崎の死は、大学新設を止めたかったことと関係しているのではないでしょうか、と問いかけます。 「そんなことで死ぬ人じゃない」と答える杉原。 吉岡は自身の父のことを告白し、二人の間には、徐々に信頼関係が生まれ始めます。 神埼は新しく立ち上がったという新設大学に関する別の資料を持っているのではないかと二人は考えます。 吉岡は神埼の自宅を尋ね、神埼の妻に一つの絵を見せました。 それはサングラスをかけた羊の絵で、資料と共に送られてきたものでした。 妻はそれを見て、一冊のスケッチブックを出してきました。 子供のお絵かき帳ですが、その中にそっくりの羊が描かれていました。 「それは主人が描いたものです」と妻はいいました。 「神埼さんが私達に資料を託された、その気持に応えたいのです」と吉岡が言うと、妻は鍵の束を出してきて、吉岡を夫の書斎に案内しました。 「家族には見せたくないものでしょうから」と鍵を彼女に手渡すと、妻は部屋を出ていきました。 金庫の鍵をあけると、「DUGWAY SHEEP INCIDENTS」というタイトルの洋書が目に入りました。 ダグウェイとはアメリカのユタ州にある生物兵器の実験場のことで1968年に近隣の羊が大量死するという事件が起き、大問題となったことで知られています。 吉岡と杉原に、東都新聞の編集長も加わり、3人は、内閣府が日本に、生物兵器の設備を持っている大学を作ろうとしているという結論に達します。 しかし、これだけではまだ記事は書けません。 軍事目的という明確な資料が必要です。 吉岡は杉原に協力を仰ぎました。 朝早く、杉原は神埼の後任の都築のもとを訪れます。 約束をしているので、部屋で待たせてくださいと部屋に入り込むと、資料を探し始めました。 吉岡は出勤の途中の都築を捕まえ、取材と称し、時間稼ぎをします。 新しい大学新設関係の資料を探し出した杉原は一枚、一枚、スマホで撮影をしていきます。 時間がありません。 吉岡を振り切った都築が部屋に入ったとき、そこにはもう誰もいませんでした。 妻と娘が退院し、一緒にマンションに帰ってきた杉原は、しばらくの間、覗いていなかった郵便受けの中に神埼からの手紙があったことに気が付きます。 それは、これ以上、生きていけないと綴られた遺書でした。 そこには軍事目的の設備が施された大学の認可に自分のはんこが押されていることに対する苦しみが書かれていました。 資料も証拠も揃い、あとは記事を書くだけです。 「誤報と言われたら跳ね返せる手段がない」とまだ不安を隠せない編集長に杉原は言いました。 「そのときは僕の実名を出してください」 それはいけませんと止める吉岡に杉原は言うのでした。 「君なら自分の父親にどうしてほしい?」杉原の表情には固い決意が刻まれていました。 編集長のチェックのもと、ついに吉岡の書いた記事が新聞の一面を飾りました。 吉岡は編集長から悪い知らせと良い知らせを聞かされます。 悪い方は、政府が雑誌を使い、死んだ上司のために官僚が暴走したことにして、記事を誤報にしようとしていること、良い方は、大手新聞が、東都新聞のスクープのあとを追い始めていることでした。 「続報として杉原さんの名前を出します」と吉岡は言い、彼のもとへ向かいました。 その途中、電話がかかってきます。 電話の主は「あなたがあの記事を書いた吉岡さんですね」と語りかけてきました。 「よく書けている。 お父さんにそっくりだ。 あなたのお父さんの記事は誤報じゃなかった。 でも死んでしまった。 残念ですね」 電話の主は多田でした。 吉岡は気丈に「わざわざありがとうございました」と言い、電話を切りました。 「これ、お前じゃないよな、お前なわけない」電話を切った多田は顔を赤くして吉岡に問いかけました。 無言の吉岡に向かい、多田はささやきました。 「外務省に戻りたいか? しばらく外国に駐在しろ。 そのうち、世間は忘れる。 そのかわり、今持っている情報はすべて忘れろ」 それでも黙って出ていこうとする杉原の背中に向かって多田は言葉をぶつけました。 「杉原、撤回することは恥ずかしいことじゃないぞ。 この国の民主主義は形だけでいいんだ」 吉岡は杉原に電話し続けながら、歩き続けていました。 一方、杉原の頭には先程の多田の言葉が渦巻いていました。 苦悩に満ち、頭を抱える杉原。 横断歩道の向こう側に杉原を認めた吉岡は大きく手を振りました。 しかし杉原の顔はげっそりとやつれていました。 彼の唇が力なく動き、吉岡は目を見開きました。 東京新聞・社会部記者、望月衣塑子の同名ベストセラーを原案とした本作は、予想以上にストレートに、日本の政界の暗部と、マスコミ事情に踏み込んでいます。 ここ数年、 日本国内を騒がせている現実の政府関連の事件をあからさまに想起させる内容には、よくぞここまで、とエールを送りたい気持ちになりました。 カリカチュアされた政治家や、ラスボス的な黒幕といったものを登場させたりはせず、新聞記者と、 国家公務員という職業にたずさわる人物に焦点をあてた地に足のついた描き方も好感が持てます。 ヒロインたちが仕事に取り組んでいる背景に、原案の望月衣塑子、元文部科学省事務次官の前川喜平、日本在住のアメリカ人ジャーナリスト、マーティン・ファクラーの対談がテレビで放映されているという形で映し出されるのも効果的です。 マスコミ、とりわけテレビ界は政府の言葉を単に伝えるだけの御用機関と成り下がっていることがこの対談内でも語られており、そんな中、メディアとして成すべきことは何かと信念を持って行動する記者たちの姿と、真実を隠蔽しようとする政府側との攻防がスリリングに描かれています。 その評価に甘んじることなく、日本に活動を広げ、自身を高めていこうとする姿勢が、本作の父の死を超え真実を伝えるために奮闘する新聞記者の役柄と重なります。 普段の飄々とした表情から、鬼気迫る表情に変わる瞬間が数回あり、説得力ある演技を見せています。 官僚としての誇りとは裏腹に意に沿わぬ仕事を強いられる苦しみを繊細に演じています。 終盤、彼が資料を探すため、部屋に忍び込むシーンはスリルとサスペンスに溢れています。 また、 ラストに彼が見せる苦悩の姿に自分自身を重ねてしまう人も多いのではないでしょうか。 薄暗い部屋にずらりと並んだ職員が、SNSを使って情報操作している様子は、ディストピア的でさえあります。 実際、 それと似たようなことがおこなわれているということに暗澹たる思いを抱かずにはいられません。 まとめ C 2019「新聞記者」フィルムパートナーズ 『新聞記者』というタイトルですが、物語は、記者と官僚の対峙と葛藤を描くという構成がとられ、それぞれの立場から真相に近づいていく過程が見どころとなっています。 一方で、新聞記者の面々にもう少しスポットライトがあたってもよかったのでは?という思いもあります。 とりわけ、 岡山天音扮する正義感のある記者などはもう少し、その活躍を見てみたかったものです。 それでも、一つのスクープを掴むことの並大抵でない様は充分伝わってきました。 したたかな権力者たちに立ち向かっていくことの困難さとそれでも真実を伝えようとする記者たちの姿に誰もがエールを送りたくなるでしょう。 この映画をきっかけに、勇気ある社会派映画がもっともっと制作されることを切に願います。

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